今治精華高等学校理事会
/不当労働行為事件
地労委の審問始まる

「愛媛私教連新聞」1999/06/02より

愛媛地方労働委員会の審問始まる

組合運動制圧のため見せしめ懲戒処分連発
組合機関紙のの配布妨害 
今治精華理事会の不当労働行為を許さない
 5月19日午後県庁別館・地労委審問室前の廊下は30人近くの私立学校関係者でごった返していました。テレビ局のカメラも2台入ってライトを光らせています。

 審問室の入り口には

平成(不)第1号今治精華高等学校事件

と書いた看板が掲げられています。「(不)」は「不当労働行為事件」の略語です。愛媛私教連が初めて取り組む地労委への救済請求の審問が始まったのです。

 愛媛私教連の組合員や公立高校の教員総勢25名が参加、精華高等学校理事会側からの傍聴希望者もいて抽選で整理券を発行するほどの盛り上がりでした。(余談ですが学園側傍聴希望者は4名中3名が抽選にはずれました。)

第1回審問の証人は柳瀬一秀・愛媛私教連委員長 不当労働行為発生の背景を解明

 証言のトップバッターは柳瀬・私教連委員長です。

 柳瀬証人は、証言に先だって、

今治精華高等学校が、大正の終わりに東予地方で初めて設置された私立学校で、以来東予地方の公教育の発展に大いに寄与してきた学校であること、また愛媛県下で初めて食物科を設置し、今年からは不登校生の受け入れに踏み切るなど、時代の要請に積極的にこたえてきた私学らしい学校である
ことに触れ、自分の証言が精華高等学校を含め私学教育の一層の発展を願う立場にたってのものであることを強調しました。

 柳瀬証人は続いて、精華高等学校経営者の問題点を以下のように解明しました。

本採用の教員にすら継続の雇用の保証がない

 精華高等学校では、伊川先生や檜垣先生に対する首きり予告に見られたように、正教員も一年契約の講師と同じ扱いになっています。気に食わないとか赤ちゃんが生まれたとかいった理由で簡単にくびにされます。こんな学校は県下ではほかにありません。
(したがって実際退職する教員が非常に多いのです。たとえば、平成6年の県下私立高校教員の平均勤続期間は13.8年ですが、精華高等学校教員のそれは8年で県下最下位です。平成7年も県下平均が13年に対して精華高等学校は5年、平成8年も県下平均が14年に対し精華高等学校が5年で、それぞれ最下位となっています。) 
   このような身分の不安定は、人件費の節減や従順な教員の確保と言う経営者の欲求には都合が良いかもしれませんが、教育活動の計画性や生徒理解の深化、生徒指導の一貫性を阻害するもので教育基本法の規定に背反しています。

貢献度にもとづく賃金と称して、教職員にでたらめかつ超低額の賃金を押しつけている

 精華高等学校理事会にはもう一つ特異な点があります。それは驚くほどの低賃金と賃金決定の恣意性です。

 ボーナスや手当てが低いだけでなく、県下で唯一、公立学校で適用されている県人事委員会の俸給表を適用していない私立高校です(松山東雲は人事院俸給表適用)。そして一人一人の賃金を理事長のさじ加減で決めれれているというのが実態です。したがって、来年の自分の給与がいくらになるかが誰も全く分かりません。

 たとえば、精華高等学校教組書記長の賃金は、23年勤続で月額28万1000円です。この額は松山城南、今治明徳、新田の同条件の教員の賃金の67%から72%にしかならないのです。

理事長による学園全体の私物化が諸悪の根源

 一方理事長は、副校長として、校長の給料の数倍、120万円以上の給料を取っているといわれています。副校長が校長より高額の賃金をとるなど考えられないことです。これでは、理事長が学園財政を私物化するために教職員に低賃金を押し付けている、と非難されてもしかたありません。

 高額の給料だけではなく、次回河合前校長の証言で事実が詳細に解明されると思いますが、二百八十万円もの使途不明金の発生、就学旅行費用のピンはねなど、学園財政の私物化を思わせる事件も続発しました。

 お金だけではありません。選挙になると、特定政党の候補者のために教職員を学校の前に出して選挙カーに手を振らせるという教育基本法を蹂躙した行為を平然とやってのけるのです。これは教職員の心の私物化と言うべきでしょう。

組合新聞「羅針盤」第2号配布から学園の組合攻撃が熾烈になった

 柳瀬承認は、こうして、理事長の学園私物化の欲望が根本原因となって、雇用停止をちらつかせながらの前近代的な教職員支配が日常化し、長年にわたって驚くばかりの超低賃金が押しつけられているといった精華高等学校の現状を明らかにしました。

 柳瀬承認は最後に学園の不当労働行為が、県下の他の私学の賃金状況を知らせた組合機関紙「羅針盤」第二号の配布以降に頻発したもので、明かに労働組合法のいうところの組合活動を理由とした不利益の押し付けに当たるとして、停職処分の撤回、同処分で生じた賃金上の不利益の回復、組合機関紙配布妨害などにたいする謝罪をおよび再発の防止を要求しました。

前校長も組合側証人として証言席に
第2回審問は6月22日

 第二回審問は6月22日(月)14時からです。

 次回は、精華高校前校長が組合側証人として証言台に立ち、理事長の学園財政私物化の実態および現校長が引き起こした不祥事にたいする学園理事会の対応について証言し、今回の懲戒処分の不当性を明かにされます。

 また、精華高校教職組現書記長伊川芳子先生が、この間学園に何が起こったのかを自らの体験をもとに証言し、職場の近代的な労使関係の確立の必要性を訴えます。