こんな事件を覚えていますか?

愛媛県警警部補

愛媛県警本部
組合乗っ取り未遂事件の顛末

1976年の5月、とんでもない事件が起こりました。
愛媛県警本部が、新田高校教員組合の乗っ取りを図ったのです。
このたくらみは、標的とされた教師の厳しい反撃に遭って頓挫しました。
しかし、県警本部公安警察はそろそろ新たなたくらみに取り掛かる頃かもしれません。

いや、率直に言うなら、もう始めているかもしれないのです。
このあたりで、23年前の事件を振り返っておくことも無意味ではないでしょう。

てがみ

事件は1通の手紙から始まりました。

 当時教員の世界でもパチンコが結構流行っていて、柳瀬さんも熱烈なファンの一人でした。
 1976年5月25日午後6時頃、柳瀬さんがいつもの店でパチンコをしていると、父上の花友達(花札じゃありません。flowersです。柳瀬さんの父上は花栽培用の温室を持っているくらいの花好きでした)の松浦さんがやってきて、「あとで見てください」と言いながら一通の手紙を柳瀬さんのポケットにねじ込みました。柳瀬さんは「はいはい」とか言ったものの心ここにあらず、ゲームに熱中しています。

おさつ  さて、柳瀬さんが帰宅後この封筒を開けて見ると、びーっくり 
(◎-◎;)!! なんと、なかには十五万円の札束とこの手紙が入っていたのです。

 まずは、じっくり読んでやってください。1行ごとの字数、改行は原文通りです。ただし、原文は縦書き。


   助けてくれませんか
  是非力をかしてほしいんですが、

  二人だけが黙っていれば絶対わからない
  ようにしますから安心してください。

  とりあえず一年分のお礼を前金とし
  て同封しますから車検の費用にで
  も遠慮なく使って下さい。

  一年経過したときに続けて助けて戴
  くかどうか考えてもらって

  無理なようでしたら結構ですし、
  続けてやっていただけるようでしたら
  それでもよいし、

  その時点で相談します。

  どうしても今回のお願いが無理な
  ようでしたら決して無理を言う

  つもりは毛頭ありませんので、この
  手紙を黙って奥さんを通じてでも

  私が訪問した折に返していただければ
  それが返事と思いあきらまます。

  組織の方とか家族の方には話さない
  ようにしてください……お互いの将来のためにも……

  立派なご両親とは末永く交際を続け
  ていきたいと思っていますのでよろ
  しくお願いします。

  もしやっていただけるようでいたら夜
  でも私の自宅へ電話して戴ければ
  結構です。

  一度腹を割ってお話しておきたいの
  です。しかし遭う必要がなく直ちに
  力を貸して戴けるのでしたら電話
  もいりませんので私が訪問した時

  に奥さんなどを通じてご連絡して
  いただければ結構です。

  突然勝手なことを申しましてす
  みませんが一つ私を男にしていた
  だけませんか。

  そのかわり私も先生のためにでき
  るだけのことはさせてもらうつもりで
  す。よろしくお願いします。

 

乗っ取り工作の発覚とその後の経過

1976年
5月25日
午後6時ころ、松山市内のパチンコ店で、愛媛県警察本部特捜班所属と称する松浦一久警部補(以下、工作員)が、新田高校教員組合書記長柳瀬一秀氏に手紙の入った封筒を渡した。帰宅後、封筒を開けると現金15万円と「私を男にしていただけませんか」と調査協力を依頼する手紙が入っていた。

柳瀬書記長(以下柳瀬さん)は、事態を同組合の尾上守委員長(以下、忘暮楼)に知らせた。

忘暮楼は柳瀬さん宅へ急行し、現物を確認した。封筒のそこには現金を包んであったと見られる薄紙が押しつぶされた格好で入っていた。どうやら工作員が一度封筒からお金を抜き出したようだ。ピンはねでもしたのかな。工作員が現金を封筒に戻すとき、封筒の中に残っていた薄紙をつぶしてしまったらしい。わりあいざっとしてるなあ。

柳瀬さんと忘暮楼は相談の結果、東俊一弁護士に相談すること、翌日三役会をもつこと、などを決めた。

5月26日

副委員長の衛藤由章さん(以下、衛藤さん)に連絡して三役会を開く。
  • 県警に抗議するために弁護士と相談する
ことにし、ただちに動き始めた。

弁護士事務所へ行く車中、手紙の内容についてあれこれ話していたとき、衛藤さんが、工作員の「男にしてください」という言葉から重大な事実(クリックしてください)を思い出した。

この工作員が1年前に衛藤さんのところへも組合の情報を得るために接触をはかっていたと言うのである。

さて三役は、法律事務所を訪れ対応を協議した。東俊一弁護士と津村健太郎弁護士がこの問題を担当してくれることになった。協議の結果、

・県警本部工作員の行為は憲法が保障する労働組合活動に対する重大な干渉行為であり許されることではない、
・15万円を県警本部に受けとらせ謝罪させる、
・この事件を広く県民に知らせ県警本部への批判を高める、

などを確認した。

三役は弁護士とともに堀の内の愛媛県警本部を訪れた。
受付で、柳瀬さんが工作員松浦一久からもらっていた名刺を示し面会を申し入れた。受付の話から、工作員が「特捜班」などではなく、「県警本部警備部公安課」に所属していることがわかった。

公安警察<(「河上イチローのウェブサイト」参照。クリックしてください)といえば、労働運動や民主運動や政党活動を初め、農協、生協、宗教団体までも含めて、国民の生活と動向を監視するための機関で、まあ日本のCIAといった闇の機関である。松浦はこの機関の正規の工作員だったのである。

引き続き、事件の全容を紹介します。乞う御期待