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  1999年11月07日(日曜日) 晴れ
「守る」と「遵守」

 朝日新聞が天皇在位10年記念の特集を組んでいた。

 1989年の天皇位即位のとき、天皇が「皆さんとともに憲法を守り」と発言したところ、一部から「護憲派にくみするのか」というイチャモンがつけられたそうだ。「憲法をまもり」と言ったら批判が出るというのだからすごい事態だ。

 それで1990年の「即位の礼」という行事以後は「憲法を遵守し」と変わったという。

 1993年1月に皇太子が婚約記者会見をしたとき「ぼくが一生、全力でお守りします」と発言したら、ある雑誌が「全力で守ってもらいたいのは国民」と書いたという。

 ずいぶん野暮なことを言う雑誌があるものだ。象徴や象徴のこどもが国民を守ったりできるわけがないし、守ってもらいたいとも思わない。このときはさすがに「遵守」への乗り換えはなかったようだ。

 皇室用語では、ということは政治用語では、「守る」と「遵守する」は、守ろうとする意志の強さが違うようだ。確かに皇太子の「お守りします」には悲壮感さえ漂っている。

 今後「遵守する」には気をつけよう。「守らない」ということかも知れない。

 それにしても、この特集記事でも、
天皇が国民と握手をすることがあるのかないのか
という、忘暮楼の年来の関心事は触れられなかった。


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