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  1999年11月04日(曜日)
朝日新聞の舌鋒

 玉木正行さんが『スポーツとは何か』のなかで高校野球のありかたに触れ、新聞社(一般にメディア)はスポーツ大会を主催すべきではないと主張している。これも興味深かった。

 高校野球の問題点として玉木さんは次の諸点を挙げている。

  1. たかが高校生の課外活動にたいしてマスメディアが騒ぎすぎること

  2. 偶然の要素の強い野球の場合、トーナメント制では実力を評価できないこと

  3. 最悪のコンディション(真夏に、もっとも蒸し暑い地方で、もっとも暑い時間に…)で行なわれること

  4. 連投、三連投、四連投といった常軌を逸した登板が英雄視されること

  5. そんななかで高校生という若いスポーツマンの燃え尽き現象が繰り返されていること

  6. 高校野球部の多くで、部員の「生存競争」(サバイバル競争)が選手養成の基本となっていること

  7. 監督の命令どおりに動く「従順な高校生」づくりが野球部の教育観の基本になっていること

  8. 野球部と関係のない不祥事にも「連帯責任」を負わせ出場を辞退させること
 玉木さんは、夏の高校野球を主催する朝日新聞が、主催者たるがゆえに、高校野球が抱えるこのような問題に有効なアピローチが出来ていないことが問題だ、と批判する。

 その通りだと思う。一方で政治や経済や教育に対しては厳しい評価を下し必要な批判を展開している朝日新聞が、こと夏の高校野球になると、それこそお祭り騒ぎで腑抜けになる。

 朝日新聞に限らず、マスメディアには、社会の木鐸として、あらゆる社会問題を評価し批判し提言する責務がある。そこで、玉木さんは、<スポーツの振興のためにはマスメディアはスポーツ大会の主催者を降りるべきだ>、と主張する。大いにうなづける。

 


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