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  1999年10月9日(土曜日) 秋晴れ
豆ちゃんに再会

 虚業と化しつつある教師稼業に見きりをつけて定年前に帰農した豆ちゃん(クリック)に会うべく友人たちとともに大分県竹田(たけた)市を訪ねた。天気良好である。

 愛媛県南部の八幡浜市からフェリーに乗る。豊後水道を渡ると臼杵市。ここから車で西に走ると野津で国道10号線にぶつかる。右折して10号線を犬飼へ。犬飼で左折して10号線を離れ、大きな橋を渡る。この川が大分県最大の川、祖母山に源を発する大野川である。ここから国道57号線に乗る。竹田市まで一直線だ。臼杵港から竹田市市街まで約60キロメートルというところか。

 ちょっと連絡ミスがあったが、竹田駅まえでなつかしい豆ちゃんに再会した。半年ぶりである。おつむは例の通りツヤツヤとしているし、常に微笑を絶やさない。すべて半年前と同じ、なにも変わっていない。

 久闊を叙したあと、さっそく自慢の瀑布を案内してもらった。原尻の滝とチンダ(沈堕)の滝である。

 いずれも人里近くにある滝であるにもかかわらず水量豊かな大瀑布、あたりの空気を轟々と震わせている。チンダの滝のすぐ下にある明治時代の発電所跡で、滝を愛でつつ弁当を広げた。いいところだった。

 豆ちゃんの新居に到着。空家になって久しかった屋敷は、豆ちゃん夫婦の半年間の努力が実って、すばらしいおうちになっている。鶏もいればウサギもいる。手のり文鳥もいる。「大きなクリの木」まであって今実りの秋である。禿頭の豆ちゃんは、この木の下だけは、心底恐怖を覚えるそうである。もし、いがぐりが頭の上に落ちてきたらどうしょう、と思うだけでもおそろしい、と。

 床下には、蜂蜜が4升分蓄えられていると村の人たちが保証してくれているミツバチの巣がある。これを収穫するには床を剥がなければならのでいまのところ放置してあるのだそうだが、どうしたことか、我々の到着と時を同じくして、スズメバチがその蜂の巣を襲撃してきた。床下の風穴から大量のミツバチたちが飛び出してきて空を暗くするほど(ちょっとだけオーバー。でもかなり近い)飛びまわっている。しばらく見物。

 夕食前に温泉へ行く事にする。隣町の直入町にある長湯温泉。炭酸温泉である。竹田市を流れる稲葉川は先述の県内随一・大野川の支流だが、温泉地を流れる芹川は、第2位の大分川の支流だそうだ。竹田市と直入町の間に分水嶺があるのだ。

 連休中ということもあって200円のお目当ての湯には入れず、40円の湯に入ることにした。40円入れるとドアが開く。あいてる間に何人か入っても大目に見られているようで、忘暮楼も地元の人の40円分で同伴させてもらった。

 この温泉が良かった。源泉では42度だそうだがこの湯は39度。40〜50分ゆっくりと体を温めた。水道なし、扇風機なし、あるのはたっぷりのお湯だけである。

 そして夕食。ここの奥さん・スンソンさんは本当に料理が上手。松山にいるころもこの料理をねらって何度かお宅をお邪魔したものだ。今回も、おいしいキムチチゲやチヂミをつくってもらった。感謝、感謝。

 忘暮楼は九州の代表的焼酎「二階堂」の水割りをたっぷり頂いて、豆ちゃん自慢の「星降る夜空」の観賞もしないまま寝てしまった。友人達の話では「空の隅っこまでびっしり星が輝いていた」そうだ。さもあらん。

 今日は、日記らしい日記になった。


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