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1999年10月7日(木曜日) 秋晴れ
最近の読書 楽しみな本三冊


 いまだに『歴史におけるエロス』(G・R・テーラー)を読んでいる。活字が小さい上に、このところの集中力の不足が災いして、331ページ中152ページしか読めていない。ただし、話はいよいよ佳境に入っている。

 中世の魔女裁判が語られているのっだが、この「魔女狩り」によって、「1914年までにヨーロッパで行なわれた全戦争の戦死者より多くの人間が死刑に処せられたと言っても間違いない」というのであるから驚く。
 「ジュネーブのの司教は3ヶ月のうちに500人、バンベルグの司教は600人、ヴェルツブルグの司教は900人焼き殺したと言われる」(P136)というありさまだったというから、さもありなん。

 さらに、なぜ残酷な火あぶりが多いのかというと、教会裁判所が死刑を執行させる際に「流血を避けるように」と俗吏に勧告したからだそうだ。「…俗権当局は犠牲者を火あぶりの刑または絞首刑にした。これなら、厳密な意味では、流血を伴わないからである」(同じくp136)。これにも驚かされた。

 そこへ新刊書『スポーツ文化を学ぶ人のために』(井上俊・亀山佳明編:世界思想社)が届いた。帰路、車の中で赤信号を利用してちらちらと読んでみるとこれがまた、たまらんほどオモシローイのである。

 忘暮楼の読書は、どちらかというと「自虐的」読書というべきもので、自分の先入観がぐちゃぐちゃにされると、ある種の快感を感ずるのである。

 ところが、『スポーツ文化…』のなかに、逆に、わが意を得たり、と膝を打ちたくなる本が二冊紹介してあった。私が言いたいことを見事に言ってくれている本である。さっそく○○○書店にメールで注文した。到着が楽しみである。

アドルノ、T・W『プリズメン』渡辺祐邦・三原弟平訳 ちくま学芸文庫 1996年
ヴェブレン、T『有閑階級の理論』高哲夫訳 ちくま学芸文庫 1998年
 スポーツの現状を批判的に見ている人にはぴったりの本だと思う。

 かばんの中には『戦争論』(多木浩二著 岩波新書1999年9月)が出番を待っている。これがまた自虐の悦びを与えてくれること請け合いの一冊なのである。ああ、ツンドクの秋。

 


 

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