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1999年10月5日(火曜日) 秋晴れ 涼しい
県高校教育検討委員会に
私立高校を視野に入れた提言を望む

  県高校教育検討委員会が、職業学科や入学試験、小規模校の問題について調査検討を進めているという。十一月中旬には中間報告を出すらしい。

 この際検討委員の皆さんに是非考えてもらいたいことがある。それは、私立高校を踏み台にした独善的な改善策にならないようにしてもらいたいということだ。

 平成元年から中学卒業者の減少が始まった。愛媛県はこの中卒者減少期を利用し四〇人学級への移行を始め、平成十年にはこれを完成した。これは文部省の方針への対応でもあった。

 この間、愛媛県は、中予地区の各県立校の学級定員の削減だけを実施し、学級数は増やさなかった。そこで当然のことだが、中予地区の県立校の生徒収容力は減少した。つまり、中予地区の県立校は、入学の門を狭め、以前なら入学できたであろう生徒たちを締め出すことによって四〇人学級を実現したのである。ちなみに松山地区の県立普通校四校の募集定員はこの十年間で八三三人減少している。こうして締め出された生徒たちのほとほとんどは、松山市内の私立高校へ進学する。

 私学は県民の教育要求があってはじめて存在する。各私学は、すっかり定着した少子化傾向のなかで、どのようなかたちで県民の教育要求に応えていくのがよいか模索している。そんな中、県立高校の定員削減による入学者の増加はとりあえずありがたいことである。

 それはありがたいのだが、残念ながら私学はまだ四〇人学級に体制に移行できていない。したがって、入学試験で何点か不足して県立校を締め出された生徒の多くは、四〇人を超える学級で学習しなければならなくなる。場合によっては五〇人学級や六〇人学級が出現することすらあるのが私学の現実である。

 県立校には四〇人学級をきびしく適用している愛媛県も、私学のこうした実態はいわば放置している。つまり、愛媛県は、あとは私学が何とかしてくれるだろうといった安易な姿勢で生徒たちを県立校から締め出し、県立校のみ四〇人学級に移行させたのである。

 愛媛県が文部省の指導にそって県立校を四〇人学級に移行させたことは教育の論理から行って当然のことだ。今後は欧米並に三十五人学級、三十人学級へとこの施策を推し進めてもらいたい。同時にこれらの施策が、公立校と私立校を含む県下の後期中等教育全体の質的向上をめざす格調高いものになるよう切望する次第である。


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