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  1999年9月17日(金曜日) 天気は忘れた…
授業中の私語の洪水 その3

 今日は、先週の金曜日に「普通の授業をしよう」と呼びかけたクラスの授業の日です。

 さて、今日はどんな授業になるのかな、今回も少し緊張して教壇に立ちました。まず『山月記』の出だしの数行の復習。主人公「李徴」の人物像を板書しておく。

 さてさっそく、前回竜頭蛇尾(後半はほかの21人のお友達と寝入ってしまったのだ)だったA君が

「センセ、今日はワシに読ましてや。ワシ、読むけん。」

 と、名乗り出ます。A君はとにかく何かしていないと眠ってしまうらしい。

 「うーん(お前ばっかり当てるわけには行かんのやけど…まあいいか)、よっしゃ、ほんなら読んでもらおうわい。」

 A君に、今日の勉強範囲に予定している2ページを読んでもらう。結構読めるほうだが、読めない字がたくさんある。正しい読みを確認しながら読み終えたところで、

 「ホナラ、もういっぺんスラスラと読んでや。」

 「え、もう一遍、同じとこ読むンケ? ヨッシャ読もうわい。」

 ほう、こんどはスラスラ読んでしまいました。

 「ほんなら中身に入るぞ。えーと、主人公の李徴が超難関の国家公務員試験を受験して、合格したんやったなあ。『名を虎榜に連ね…』いうのはそういうことやったわいのお。
 それで李徴は何を求めてこの試験に挑戦したんかなあ。ここ、本文に書いてないから自分で考えて。」

 「カネーっ」

 後ろの方から答えが飛んで来ます。

 「おお、すばらしいなあ。まずカネやね。同じことなんやけどもう少し上品に言うたら…」

 「財!」

 「いいなあ、財ねえ。でも、『財を求めて…』というのはちょっと言わんなあ。ほかに…」

 「ハーイ、富っ」

 「それがぴったりやなあ。富を求めて…、これが第1の目的やろな。
 それで、商売人ではなく役人になったんやから、富だけじゃなくもう一つかんがえられるんやけどなあ。」

 いろいろ答えが返ってきます。今日はすこぶる活発。

 「役人いうたら人の上に立ってなんかするわいね…。これヒント…」

 「権力っ」

 これには驚きました。よくこの答えが返って来たものです。忘暮楼は、感激して、「すばらしーい」と叫びながら、この答えを出したB君のところ両手を広げて歩み寄ります。B君も心得て両手を広げ、二人はひしと抱きあったのでした。

 A君が向こうの方で「わしとは抱き合わんのけ…」と不平を鳴らしています。

 面白い授業でした。今日の睡眠者は6名でした。やっぱり呼びかけることが大事なんですかねえ。


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