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  1999年8月31日(月曜日) 曇り
「歴史におけるエロス」1

 G.R.テイラー著『歴史におけるエロス』(岸田秀=訳 河出書房新社)を読み始めた。ツンドクしていた本だが読んでみるととんでもなく面白い本だ。信じられないような「事実」が紹介されている。少し引用してみよう。 

 「第二章 中世の性行動」は、冒頭からすごい。

 キリスト以後の最初の千年間のイギリス人の性生活の特徴は強姦と近親相姦であった。それ以後の時代の特徴は同性愛とヒステリーであった。

 キリスト教の宣教師は、特にこの国のケルト族の地域で、自由奔放な性生活を送っている人びとを乱した。宣教師は、彼らに対して極端にきびしい道徳を押し付けようと計り、その要請の厳格さをますます増していった。

 教会の性の掟は一度として普遍的承認を得たことはなかったが、そのうち、禁欲をある程度強制できるようになり、そのために、たくさんの精神障害が生じた。

 中世ヨーロッパは巨大な気違い病院(ママ)に似ていたといっても言い過ぎではないだろう。

 著者は、中世(5世紀〜15世紀中葉)初期のフリーセックスの事実を、イギリスの裁判記録、当時の宣教者、聖人、神学者たちの証言によって明らかにする。

 著者が取り上げている8世紀のイギリスの神学者アルクィンの次の証言はわかりやすい。


「この国は婚前性交、姦通、近親相姦の洪水に完全に押し流され,品位のまねごとすら見られない」
 「紳士、淑女の国」といわれるイギリスの水源はなかなかのものである。

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