2003年4月8日 木曜日
 靖国参拝違憲判決要旨

福岡地裁が九州靖国訴訟で小泉首相の靖国参拝を違憲と判決した。捨てる神あれば拾う神あり、思いもよらぬ大逆転であった。小泉首相のイカサマ政治、独善政治、戦争国家づくり政治、選挙めあて政治に対する痛打となったにちがいない。
(昨夜は中日も対巨人戦で大逆転し、4勝1敗で単独首位となった (*^ー゜)v )。
あ、失礼、ここに謹んで愛媛新聞が示した判決要旨を書写しておきたい。

≪靖国参拝違憲判決要旨≫ 愛媛新聞4月8日付を書写。箇条書き化は忘暮楼の補筆。

小泉純一郎首相の靖国参拝を違憲とした7日の福岡地裁判決の要旨は次の通り。

【職務行為性】小泉首相は参拝に

  1. 公用車を使用し、
  2. 秘書官を随行させ
  3. 「内閣総理大臣小泉純一郎」と記帳し
  4. 「献花内閣総理大臣小泉純一郎」との名札をつけた献花をした。
  5. 参拝後、官房長官が首相談話を発表、
  6. 首相も「公的参拝か」私的参拝かについてはこだわらず、内閣総理大臣である小泉純一郎が参拝した」旨述べた。
 これらの事情に照らすと、参拝は行為の外形で内閣総理大臣の職務の執行と認められる。

【違憲性】小泉首相の参拝は、
  1. 本殿で一礼し、英霊に対しまたて畏敬崇拝の心情を示した行為だから、靖国神社が主宰したものでも、神道方式にのっとった参拝方法でもないが、宗教とかかわり合いを持つのは否定できない。
  2. 当時、自民党や内閣内でも強い反対意見があり、国民の間でも消極的な意見が少なくなかったことに照らすと、参拝は単に戦没者を追悼する行事とはいえない。
  3. さらに、首相は国の機関である内閣総理大臣として参拝する強い意志があるとうかがわれる。単に社会的儀礼とはいえない。国の機関である内閣総理大臣としての戦没者への追悼は、靖国参拝以外の行為でもできる。首相は憲法上の問題や諸外国からの批判があることを十分に承知しながら、信念や政治的意図に基づいて参拝した。
  4. 首相の参拝直後の終戦記念日には前年の2倍以上の参拝客が靖国神社に参拝し、閉門時間が一時間延長された。首相の参拝は、神道の教義を広める宗教施設である靖国神社を援助、助長、促進する効果をもたらした。
  5. 以上の事情を考慮し、社会通念に従って客観的に判断すると、首相参拝は宗教とのかかわり合いを持つもので、憲法20条3項が禁止している宗教活動にあたる。
【不法行為】
  1. 参拝は、原告らに信教の自由を理由として不利益な扱いをしたり、心理的強制を含む宗教上の強制や制止をするものではないから、信教の自由を侵害したものではない。
  2. 宗教的人格権や平和的生存権等は、憲法上の人権と認めることはできない。
  3. 参拝で原告らが不安感、憤り,危惧感を抱いたとしても、その行為の性質上、賠償の対象となるような法的利益の侵害はなく、不法行為は成り立たない。
【裁判所の考え】(感動的な叙述です…忘暮楼
  1. 当裁判所があえて参拝の違憲性を判断したことは異論もあるだろう。
  2. しかし、現行憲法下では、本件のように憲法20条3項に反する行為があっても、違憲性だけを確認したり、行政訴訟で是正したりする方法はな原告が違憲性を確認する手段は、損害賠償請求訴訟の形を借りるしかなかった。#1
  3. 一方で、靖国参拝に関しては、数十年前から合憲性が取りざたされ、歴代の内閣総理大臣も慎重な検討を重ねてきた。
  4. 中曽根康弘元首相の参拝時の訴訟で大阪高裁は、憲法違反の疑いを指摘、つねに国民的論議が必要だと認識されていた。
  5. 小泉首相の参拝は、合憲性について十分な議論がないまま行われ、その後も繰り返された。#2
  6. 今回、裁判所が違憲性の判断を回避すれば、今後も同様の行為が繰り返される可能性が高く、当裁判所は違憲性の判断を責務と考えて判示した。
#1 だから、西条の「特攻神社」に自衛隊の名による玉垣が造成されているのに法的な追及ができない…忘暮楼
#2
 実際小泉首相は「戦没者に哀悼の誠を捧げる」とか「どうして(公私を)分けるのか分からない」とか「(公私について)どう判断されてもいい」とか、合憲性の議論とは程遠いところでの発言しかしていない…忘暮楼