2003年7月4日 金曜日 休肝日#2
 
夏姿

このところ雨なし。登下校は毎日カンカン照りの青空の下。あまりの日差しの強さに新兵器導入に踏み切った。新兵器というのは先日北部安波(あは)の共同売店で購入したくば笠(びろうの葉で作った笠)のことである。今日は授業時間の都合でこれをかぶって宿と学校を二往復した。海風が吹いてくると、この笠のおかげで木陰を歩いているような爽快な気分になるのである。
こういう具合に笠の下に骨組みがあって、笠と頭の間にかなりゆったりした隙間がある。この隙間があるおかげで木陰にいるような気分になれるのである。沖縄が生んだ沖縄のための笠なのであろう。ちょっと目立って恥ずかしいところもあるが、三線の栄徳師匠も「一番いいようにすればいいんだよ」といってくれるし、この夏はこの笠のお世話になることにしよう。。

『沖縄語辞典』には「くば笠」の工程を描いた唄が引かれている。

「くば(びろう)は金武(方言読みでは→ちん:地図の1)のくば、
竹は安富祖(っあふす:地図の2)の竹を使い、
骨組みは瀬良垣(しらかち:地図の3)で作り、
恩納(っうんな:地図の4)ではって完成する」

という歌だそうだ。原詩は下に。
「くばや ちん(金武)くばに 
だき(竹)や っあふす(安富祖)だき(竹) 
やに(屋根)や しらかち(瀬良垣)に 
はい(張り)や っうんな(恩納)」  

 みごとな八八八六のリズムである。地名や名詞や助詞のリズムが総合されて琉歌のリズムが生み出されるのである。

【 論壇 】

県内農業の奨励

自給率50%以上の確立を  比嘉正清

 わが国の農業自給率が平均して40%に対し、沖縄県の平成十三年度の農業自給率は34%である(農林水産省総合食糧局食糧政策課計画班)。北海道181%、秋田159%、山形129%、青森118%と四道県が100%以上の自給率で、その他の県は100%以下の自給率となっている。

 日本の首都・東京はわずか1%に対し、大阪が2%となっている。各地の農業生産が向上すれば国の農業自給率が高揚し、国民の生命線へ恵みを与えてくれる。

 本県は四十七都道府県のうち下位から十八番目に位置し、農業自給率34%の中で、率を上げるには農業従事者はもとより県、市町村の意識改革を今より高めることにある。今後は沖縄農業の生産性を高めて自給率を向上させる取り組みが重要であり、農業生産は生きるための選択肢の一つとして方法を考えていくことにある。

 国、県、市町村は今ある農業政策を再分析、検討し、やる気を出させる農業には何があるか、秘策研究すれば自給率の向上に連動するはずである。行政には農業従事者を指導する担当者や政策マンが存在する中で、机上プランでアドバイスするよりは、実地検分により各農家と農業経営者との生の声を聞いて、本県の農業関係者に繁栄をもたらすことである。

 同時に、農家の実情を踏まえて窮状と難点はどういう個所なのか、アドバイスより実地農業が成果が上がるので、多岐にわたる調査研究もぜひ必要になってくる。

 農業には、農業の困難さ、生産農家の生計の厳しさ、農業資金のぜい弱さ、農地の狭あいさ、それに農業従事者の後継者問題は頭痛の種だ。現実に対応することも難問であるがゆえに、目前に表れている苦難を一つひとつ摘み取っていってはじめて生産農家の生計への意欲と農業への意欲が生じるのではないかと思う。

 県内農業は、定年退職者には趣味や生きがいとして農業に着手している人が多いと聞く。北谷町、沖縄市、宜野湾市、浦添市、那覇市から北部方面へ出張農業をしておられる人々が多い中で、その人たちは農業に最大の関心を寄せ、生きがいも兼ねて農業に取り組んでいるはずだ。小さな一人ひとりの結集が重なっていくことによって、多大な県内農業生産物となって、沖縄の農業自給率に寄与していくのは称賛したい。

 今日の日本農業は、輸入農産物の関税問題で外国から圧力が掛かり、生産農家は窮地に追い込まれている。日本政府が外国政府の関税下げろ、の圧力に屈すれば、日本の農業生産はもとより、本県生産農家にも少なくとも大打撃を被る。

 今、外国の農産物が安くスーパーの店頭に並べられているのは周知のとおりだが、生産過程は分かりにくい。少々は割高でも県内農産物、県外農産物が生産過程を実証された農産物が安全といえるのではないか。

 農業者の生産苦労は、消費者からはその農産物を買って消費することにより協力に値するといえる。また、生産者も喜んで安全性のある農産物を消費者へと供給できる。沖縄県の農業自給率50%以上を確立するには一人ひとりの一考にかかっていると確信する。

(沖縄市上地二二七)


【 声 】

子供は待っている

北中城村 比嘉亮太 (専門学校生、20歳)

 六月十二日付の「君はひとりじゃない」を目にして思った。最近子供に関してのニュースが数多く取りあげられている。児童虐待、少年非行、登校拒否などいくらあげてもきりがない。子供に関するニュースを見て、「親は何をしているんだ」といつも思ってしまう。私の親は、私にたくさんの愛情を注いでくれた。もちろん悪さをしたら怒ってくれる。また、逆に良いことをしたら褒めてくれる。それが当たり前だと思っていた。しかし、この記事には、腕にたばこの火を押しつけた跡があるなど、親として、いや人間として許されないことを平気で行うことが情けない。このような行為をするから、非行に走ったり、登校拒否やいじめなどが起こったりすると思う。

 現在親であるあなた、今から親になるあなた、少しでも子供とかかわってみたらどうだろうか。子供もあなたたちと話したいと思っているのだ。親であるあなたが子供を支えてほしい、子供は待っている。


たまたま「琉球新報 声欄」に下の投書があった。パクらせてもらう。

【 声 】

くば笠

宜野湾市 多和田真八 (73歳)

 「久葉や金武久葉に 竹や安富祖竹 瀬良垣ややねて 張りや恩納」―。過日、本紙のサブ紙レキオのくば笠(がさ)特集を読んでこの琉歌を思い出した。琉球くば笠店の金城さんの作業風景が写真入りで紹介されていた。材料採取、乾燥、加工、組み立てまで、制作は何日もかかるという。前出の琉歌からも、実際に旅を続けながら一本のくば笠を仕立てていく長い工程が読み取れる。

 し烈な誘致合戦を繰り広げた大学院大学は恩納村に決定で一段落した。北中城村は県立芸大の移転話が出て、その誘致に乗り出したもようである。大学院大学の立地で絞り込まれたのが恩納村、北中城村、糸満市の三カ所であった。残った糸満には国立「琉球物づくり大学」はどうだろうか。旧琉球王朝文化圏の喜界島あたりから与那国までの伝統技術の研究を行うのである。くば笠、サバニなどはその雄。くば笠やサバニのフォルムは叙情的で先鋭的。糸満がけん引してくれよう。