2003年6月8日

やっぱりこれは間違っている

 いまさらという話にはなるが、新聞やテレビの皇室報道での敬語表現は異常だ。いや、天皇陛下は日本国の象徴なのだから、皇室は丁重に扱うのが当然だ、という考えが多数派のようであるが、そんな議論は内間での話。外国の元首との交流となると、途端にその異常さを露呈してしまうのである。

 次は来日中の盧大統領を招いての宮中晩餐会の模様を伝える新聞記事の一部である。
 天皇陛下は植民地支配や戦争などに言及せず、「…………」と歴史を基点に未来を見据える考えを表明された。答辞に立った盧大統領は「………」と呼び掛けた
 自国の象徴(元首ではない)には「表明された」と敬語を使用し、外国の元首については「呼び掛けた」と非敬語表現である。また天皇には「陛下」という尊称が用いられているが、盧大統領には「閣下」という尊称が使われていない。天皇のスピーチだけを「お言葉」という表現で差別するのもマスコミの悪弊である。
  こういう国際的非礼を無批判に繰り返しているわが国のメディアの知性はいかにも頼りない。下のような表現で何の不都合があるのか。
 天皇は植民地支配や戦争などに言及せず、「…………」と歴史を基点に未来を見据える考えを表明した。答辞に立った盧大統領は「………」と呼び掛けた
  そもそも敬語表現というものは、話者が発話のなかに登場する人物に対する個人的な感情を表現しようとするものである。夫婦でも争いごとにさいしては「このまえはそうはいわなかったでしょう」などと急に丁寧表現になったりする。皇室なり政府なり新聞社なりが新聞報道での敬語表現を強制するということは、つまり国民の感情を支配しようとしているのである。日々の系統的な「洗脳」だ。苦々しい限り。