日記タイトル宜野湾バージョン

2003年5月30日

沖縄と干物

  先日、沖縄の大手スーパー「サンエイ」でアジのヒラキを買ったときのことを書いた。このアジのヒラキは九州産のもので、「アジのヒラキは口内炎に効きます」と書いてあったという話である。こんな説明があるということは、つまり、沖縄ではアジのヒラキはなじみの薄いものなのである。

  実際、沖縄のスーパーには「ヒラキ」はほとんどおかれてない。宿近くの小料理屋「ろまん」で大将に聞いてみたが、そういえば沖縄にはヒラキがありませんねえ、美味しいのにねえ、とのことだ。ヒラキを焼いて食すれば油の使用量は減るはずだから沖縄の食生活の改善にはもってこいだと思うんだけどなあ。

  図書館で沖縄の漁業関係の書籍をぱらぱらめくってみてもヒラキの話はでてない。インターネットで「沖縄 ヒラキ」で検索してみると、本土のヒラキで沖縄へ送る場合の送料が出てくるばかり。一つだけ国頭郡のどこかで、9月ごろにシイラのヒラキを作るという地元新聞の記事があった程度だ。

  いろいろ考えてみたが、どうやらヒラキという貯蔵食品は次の二つの理由で沖縄では取り入れられなかったものと思われる。
  1. ヒラキなど干物が貯蔵食品として不完全なものであること
    • 水分を35%〜40%まで減らすと、腐敗細菌が繁殖しにくくなるため、生のまま放置するのに比べてはるかに長期間貯蔵できるようになる
    • しかし、カビは水分15%でも繁殖する
  2. 沖縄は腐敗細菌の繁殖に適した気候であること
    • 腐敗細菌が繁殖し易い温度が20℃から40℃であり、かつ沖縄の年間平均気温は21℃から24℃で、10℃以下になることがあまりない。腐敗が起きるためには水分が必要であるが沖縄はまた湿度も高い。
      • (資料:小学館「web版日本大百科全書」)
  つまり、干物程度の貯蔵力では、沖縄での腐敗細菌の活力に太刀打ちが出来なかった、ということのようだ。

  ただし、フィリピン、香港、ベトナム、タイあたりでは魚の干物が常用されているらしいので、もう少し別の事情もあったのかも知れない。機会があればもうすこし調べてみたい。