2003年5月27日

沖縄の健康の現状
長寿沖縄シンポジュームでの議論 その1

沖縄食文化の一つ「買い弁当」を取り上げた。  そのとき「長寿沖縄再構築への挑戦」と題するシンポジュームが開かれると書いたが、今日の「琉球新報」にそのシンポジュームでのパネラーの報告や会場での議論が掲載された。パネリストの報告は一つ一つ非常に興味深いものなので紹介しておきたい。

 これまで私の目を驚かせてきた、沖縄県人の新聞訃報欄の「病気療養中」の一件、弁当文化の問題、全般的な肥満傾向は一つ一つ沖縄県人の健康問題にかかわる重要な問題だったことのがわかった。



背景 

コーディネータ 当山護(沖縄医師会副会長)
  1. 1994年、簡易生命表で、沖縄の女性の平均余命は全国一、男性は四位で、総合全国一であることが確認された。
  2. 2002年12月の発表では沖縄の男性の平均余命が急速に悪くなっていることが確認された。
    • 65歳以上の男性の平均余命は堂々全国一
    • 40歳以上の男性も全国9位の高位
    • ところが 20歳以上の男性は全国23位
    • そして ゼロ歳以上の男性で全国26位
  3. これらの原因としてつぎのような要因を挙げることができる。
    • 沖縄の乳幼児の死亡率がまだ高い。
    • 壮年の心臓疾患の死亡率が高まっている。心臓疾患、脳血管疾患、糖尿病が明らかに影響している。
    • 高齢者の脳血管疾患死亡率の改善率が低く、全国との差が開いている。
パネラー 尚弘子(琉球大学名誉教授)
  1. 沖縄県人の食生活は、消費エネルギーの3,4倍のエネルギーを摂取している。
  2. それが県人の肥満につながっている。
  3. 食塩も取りすぎている。
  4. 外食に頼りすぎている。
  5. ファーストフードではなく、スローフードを。自分の身体を考え,中身を吟味しながら食べることだ。

パネラー 柳川行雄(沖縄労働局労働基準部長)
  1. 沖縄の労働者は職場の健康診断で異常が見つかる率(有所見率)が年々上昇している。
    • 全国の有所見率が33.6%であるのに対して、沖縄は46.7%(昨年)
  2. 所見では、血圧、肝機能など生活習慣病の割合が多い。
  3. 沖縄の労働者は若年労働者が多いので有所見率は低いはずで、問題は深刻だ。
  4. 労働時間や働き方など、会社の責任もないとはいえない。
パネラー 秋田貞行(沖縄県生命保険協会会長)
  1. 問題は若者だ。
  2. 肺炎、肺がん、肝疾患、糖尿病、高血圧疾患の伸びが全国に比べて高い。
  3. 県下生命保険会社上位10社が一年間に支払う金額は254億円。一日約7000万円である。
パネラー 出口宝(健康科学財団理事長)
  1. 県民の栄養面では脂肪のとりすぎがある。体が酸化ストレスを起こしやすい食生活になっている。
  2. ほとんどの人が休養不足である。
  3. 40代、50代の70〜90%は運動習慣がない。
  4. 栄養、休養、運動のすべてにわたって問題があり、結果として、県民の三分の一が肥満で、それが40代から60代に集中している。
  5. また、癌になりやすいという問題が起こっている。