2003年5月22日 木曜日
 沖縄の三度の食事

昨日沖縄の「買い弁当」事情を取り上げた。今日の「琉球新報」の「長寿をはぐくむ」シリーズの「買い弁当事情 下」のタイトルは「ボリューム過剰で肥満」となっている。

  たしかに、沖縄の、とくに女性に、一種独特の肥え方をした人が多い。これも沖縄に来て街を歩き始めた頃すぐ感じたことであった。買い弁当や油の多いチャンプルー料理の影響があるのかもしれない。

  今日の「長寿をはぐくむ」は「県庁職員の昼食で弁当を持参する人はごく一部。おそらく9割余は外食でしょう」という県職員健康管理センター室長の言葉を紹介している。外食の多くは300円から400円で満腹感の味わえる買い弁当にながれるらしい。

  買い弁当につきあったついでに、「昼弁当を持参すること」を沖縄語ではなんと言うのか、「沖縄語辞典」(国立国語研究所)を引いてみると、「ムチアサバン(持ち朝飯…「飯」を「バン」と濁る)」と出ていた。「昼」なのに「朝」というのはどうしたことだ。

  さらに「沖縄語辞典」をたどってみると「沖縄の三度の食事」の呼称は次のようになっていた。

身分→ 一般人 労働者 上流女性
朝食 すとぅみてぃむん すとぅみてぃむん (ナシ)
昼食 あさばん あさばん あさばん
午後食(3時ころ) (ナシ) ふぃるまむん (ナシ)
夕食 ゆうばん ゆうばん ゆうばん

 ヤマトでもそうだったが、もともと人々の食事は一日2回だった。それが上の表の「上流女性」の「あさばん」「ゆうばん」だけの食事に残っている。

 古代において一日はまず「昼間」と「夜間」に分けられる。「昼間」を中心としたときは、時はさらに「あさ」「ひる」「ゆう」と区分され、夜間を中心としたときは、「ゆうべ」「よい」「よなか」「あかとき」「あした」と区分される(広辞苑)。

 「あさばん(朝飯)」と「ゆうばん(夕飯)」は古代の「昼間」を中心にした時間表現「あさーひるーゆう」に基づいている。この場合「あさ」は「正午までのあいだ」(同)をさしている。「あさばん」が「昼食」に対応しているのはそのせいであろう。

 「ふぃるま」は「昼間」であるが「昼間」は「日の出から日没まで」をさすので、「あさーひるーゆう」の三分法によれば、午後3時ころは「昼間」となる。

 「ゆう」は「日が暮れかけ、夜となろうとするころ」(同)である。これは今日の夕飯とほぼおなじイメージのようだ。

 問題は「すとぅみてぃ」であるが、これは古代語の「つとめて(早朝)」に対応する語だそうだ(沖縄語辞典)。「つ」も「す」も歯と舌先でつくられる音(歯音)で、閉鎖をともなえば「つ」(破擦音)、摩擦だけだと「す」(摩擦音)である。相通ずることがあるのであろう。