2003年5月8日 木曜日
沖縄の屋号(家名:ヤーンナ)

 たびたび新聞の訃報欄を取り上げるが、わからないのがときどき見られる「屋号」の記載であった。日本の屋号(「商家または俳優などの家の称号。伊勢屋・成田屋の類。」(広辞苑))とは違うもののようである。

 訃報欄には例えば次のような記載がある。

夫 伊敷○○ 儀 〔屋号=二男西リ前伊敷〕 病気療養中の処五月○日午前○時○分……

 この「二男西リ前伊敷」というのが沖縄で言う屋号である。

 たまたま波平エリ子先生の授業(「沖縄の民俗」)で「屋号」の講義があった。先生の話を応用すると、二男西リ前伊敷は次のようにして造られてきたものらしい。

事情屋号
本家伊敷
ある人が伊敷家から分家して新しい家を本家のに建てた。前伊敷
ある人が前伊敷家から分家して新しい家を前伊敷家の西(沖縄では西を「イリ」というので「西リ」なっているのであろう)に建てた。西リ前伊敷
西リ前伊敷家の二男が分家独立した。二男西リ前伊敷

 日本の屋号との違いがよくわかると思う。

 さらに伊敷家から別途分家した伊敷小(いしきぐぁ)家があり得るし、すると南伊敷小家、大谷伊敷小(大谷というところに分家独立した)、前大谷伊敷小もあるかもしれないし、色黒の男が分家すると前大谷伊敷小グルーもあったりするだろう。そして、これらの世帯全体が一つの門中を構成するわけである。