2003年5月4日 日曜日
羽衣伝説 その1

 「連休」真っ最中だけど、私にとってはこの程度の連休は毎週のことでどうってことはない。土、日、月を休養日にしているのだ。といってもその他の日も休養日みたいなもの。

 昨日タクシーに乗っていたとき、「森の川」の表示のあるところに通りかかった。運転手さんに尋ねると「羽衣伝説のあるとこですよ」と教えてくれた。そのときは「ふーーん」といった感じだったが、今朝、琉球方言の勉強していたら、たまたまその「羽衣伝説」が「原語」で出ていた。読んでみるとすごく面白い。チムドンドン(わくわく)するような話であった。

 ある男が畑からの帰り道、川のそばに通りかかったら、松の枝になにやら光るものが見えていい香りが漂ってきた。川の方をみると長い髪が見えた。長い髪の下には真っ白の丸いお尻が見えた。目もくらむような美しいお尻だった。また背中の横から見え隠れする乳房の美しさといったら例えようがなかった。
(ながりぬ すばから くゎっさてぃ みーみーする ちちぬ ちゅらさあ ぬぅにん たとぅららんたん)

 まったく忘暮楼好みのお話である。おとこはこの見かけたことのない美しい女に夢中になる。松の枝に掛けられた、トンボの羽のように光って蝶の羽のように美しい模様をしてこの世のものとは思えない衣を隠してしまう。

(ああけぇずぅぬ はにの ぐとぅ ひかてぃ はーべるぬ はにぬ ぐとぅ あやなち)

 このあと女は天に帰らなければないから衣を返せというが、男は自分の衣を与えて、家へ帰ったらもっときれいな着物があるから、などと言い張る。女は、この男から衣を取り替えすには家へ行くほかないと観念してついていく。

 おかしいのは次の文句だ。

うぬ あとー いきがー(男)とぅ いなぐ(女)ぬ な(慣)れ どぅ やる。いなごー(女は) うぬ(その) ゆる(夜)ぬ うちなかい いきがー(男)ぬ むん(もの) なてぃ たいや(二人は) みいとぅ(夫婦)んだ なたん。
なんと「その後は男と女の習いである。二人は夫婦になった。」とある。ここらがおおらかなところである。この後男のワラビンチャーと女のアラビンチャーをひとりずつ生む。結局女は羽衣を手に入れて、子供二人を置いて天に帰っていく。このあたり、離婚率全国一の沖縄県の伝統と関係が、‥‥ないね。

 この残された男ワラビンチャーがのちに察土王になったというのである。

察土王というのは、この島が、小勢力の並存の時代から北山、中山、南山の三つの小王朝にまとまったころ、中山に現れた王で、この王は、明に初めて入貢(1372)してその後の「大交易時代」を準備した王として知られる。「琉球」という国名もこのころ明皇帝によって命名されたのだという(1383)。また5月3・4・5日の三日間那覇で繰り広げられているの「那覇はハーリー」のルーツもこの頃だという。詳しくはここ沖縄情報IMAのサイトより)。

 羽衣伝説はこの察土王の誕生伝説なのである。

 次回、この伝説の地を写真で紹介しよう。