2002年11月27日 水曜日
 教育の秘訣

 授業で格言の勉強をしているが、初めて接する格言が多く、結構面白い。その中の一つ、

 
 老人は、教師としては若い教師より優れているわけではない。老人は得たものより失ったものが多いからだ。(ソロー)

 面白い言葉だが、これは面白いだけ。私が35年間の教員生活の中で得ることができなかったものは沢山あるが、得たものと失ったものとではどちらが多いか、いうことになると、私は文句なしに得たもののほうが多かったと言えると思う。そういう意味で年をとるということは楽しみなことである。いまのところ若いころの自分や、今の若い人を羨む気持ちにはなれない。「彼ら」は得たものが少なすぎるのである。

 私はソローと言う人を知らないが、広辞苑によると「Henry Sologb アメリカの随筆家。エマーソンの感化を受け、その哲学を実践するために故郷コンコードのウォルデン池畔にひとり簡易生活を送った。著「森の生活」「市民としての反抗」(1817-1862)」とある。

 そのエマーソン(1803-1882)にはこんな言葉があった。

 
 教育の秘訣は、先生が生徒を尊敬するところにある。

 こちらは至言というべきであろう。教師の最大の仕事は生徒に自信を持たせることだと思う。エマーソンは「自信は成功の第一義である」とも言っている。しかして生徒に自信を持たせる方法は意味のある達成を確実に誉めることしかない。そこで誉める能力をもつことが教師の最大の課題になる。生徒に対する敬愛が教育の秘訣となる所以である。

 私の勤める学校の校訓に「敬愛」が掲げられているが、これはむしろ教員の心がけであるべきなのであろう。