2002年10月31日 木曜日
誘拐被害者たちを
一度朝鮮(DPRK)へ帰すべきだ

 

 2回目の日朝交渉が予想通り「平行線」で終了した。朝鮮(DPRK)による日本人誘拐事件の解決についての主張の違いが交渉を深刻化している。

 朝鮮(DPRK)の犯罪行為は、日本で普通に暮らしていた日本人の家庭を破壊し、その後20数年間、平然と被害者家族を離散させてきた。そして、今日また、あたらしい家族離散が発生している。親や子の不安、悲しみは、24年前の離散も今日の離散も同じいたみである。被害者たちは「早く子供の所へ返してくれ」と泣きわめいて当然なのである。それをじっと耐えている。

 朝鮮(DPRK)の日本人誘拐問題は、親の要求、拉致問題議員連盟の主張、本人の希望、被害者の子供の希望、政府の対応、外務省の作戦、朝鮮(DPRK)の主張などが錯綜し、忘暮楼の頭は混乱してしまった。議論するたびに自分の意見が変わってしまったりする始末である。

 そんな中で、あるメーリングリストに書き込まれた意見は決定版だと思った。私なりに要約すると、

  1.  最優先されるべきは、親や議員連や救う会の希望ではなく、被害者本人の希望である。
  2.  朝鮮(DPRK)にいる子ども達を日本に対して呼べとのことであるが、今、親たちが日本にいることを子供たちに説明し、日本行きの話をすることができるのは、親しかいない。
  3.  これだけの国際的な注目を浴びている被害者とその家族は、その安全は保証されていると考えるべきだ。
  4.  したがって誘拐問題の最終決着のためには、外務省の敷いたレールどおりに、まずは被害者を家族のいる朝鮮(DPRK)へ一度返すべきだ。

ということだ。

 朝鮮(DPRK)は周囲の意表をつく行動をすることが多いし、平気な顔で主張をころころ変えてしまったりすることがよくある。だからなかなか信用できない。

 しかし、まったく信用できないのであれば、外交交渉そのものが成り立たない。日本政府は現在、朝鮮(DPRK)が「経済援助を受けるためには核兵器や長距離ミサイルの開発をやめるだろう」、との見通しで交渉している。そういう対応もできる国だと信頼しているからこそ、この交渉が成り立っているのである。

 核開発問題・長距離ミサイル問題で朝鮮(DPRK)を信用する我々は、朝鮮(DPRK)政府の日本人誘拐問題の解決への意志を信用すべきだと思う。これが信用できないとすると、核開発問題や長距離ミサイル問題ではまったく信用できないことになる。そうなると、この国交樹立交渉自体がまったくの茶番だったということになるのではないか。