2002年9月22日 曜日
呼吸

  我々は呼吸をする。鼻の穴を開けて胸にいっぱい空気を満たすこともできる。このとき肺臓の容積は大きくなる。また、体の中の空気をどんどん吐き出すこともできる。肺臓の容積は小さくなる。我々はこういうことを思いもままにやっていると思っているのだが、実際はそうでもないらしい。

 心臓は筋肉だらけで自分で自分の容積を変えているのだが、肺臓には筋肉がないのだそうだ。筋肉のない肺臓はどうやって自分の大きさをコントロールするか。そこで、胸骨と横隔膜が出てくる。肺臓は胸骨と横隔膜にくっついている。我々が空気を吸い込もうとするときはつぎのような過程があるらしい。

 

  1.  脳から「空気を吸うぞ」という命令が発せられる。
  2.  胸骨の筋肉が働いて胸骨が膨らむ。
  3.  すると胸骨にくっついている肺臓がむりやり膨らまされる。
  4.  すると肺臓内の圧力が急激に低下する。
  5.  すると気管を通って大量の空気が流れ込む。
 

 これが「吸」である。「呼」の場合はまず胸骨を内側へ収縮させる、すると肺臓内の空気は「たまらず」外部へ放出される、というわけだ。これが胸式呼吸だ。

 腹式呼吸の場合は、

 

  1.  脳から「空気を吸うぞ」という命令が発せられる。
  2.  横隔膜が下方へ移動する。
  3.  (ここから後は同じ‥)すると胸骨にくっついている肺臓がむりやり下方へ膨らまされる。
  4.  すると肺臓内の圧力が急激に低下する。
  5.  すると気管を通って大量の空気が流れ込む。

 このとき下腹部の内臓は、降りてきた横隔膜に押されるが、下には頑丈な骨盤が控えているので行き場を失い、仕方なく外へ膨らむ。それで腹が臍の方角や横腹のほうに膨らむ。これが腹式呼吸だ。

 気まぐれに『発生と身体のレッスン』(鴻上尚史こうかみしょうじ著 白水社 2002April)を読んでいて学んだことである。