2002年8月30日 金曜日
小泉訪朝

 今日午後、一瞬耳を疑うようなビッグニュースが飛び込んできた。小泉首相が来月9月17日(ありゃ、盧溝橋事件記念日の前日かあ)が朝鮮(DPRK)の首都ピョンヤン へ飛んで金正日国防委員長を会談することになったというのだ。日帰り旅行らしい。

 われわれはあっと言ったが、それは庶民レベルの話。外務省は、1年前から田中均外務省アジア大洋州局長(1947年生)の指揮のもとで水面下(こんなときにあの外務省機密費が使われるのかな)の準備進めてきたそうだ。

  いずれにせよ、小泉首相を応援したくなったのはこれがはじめてである。こんどの訪朝が国交正常化のためのスタートラインとなるかどうか微妙だそうだ。出たとこ勝負、といった意味もあるらしい。

 しずれにせよ、国交正常化の最大の課題は、「拉致疑惑」問題ではなく、日韓国交回復の時と同様に、植民地支配の謝罪と清算だと思う。

 まずは今日の読売新聞の報道をもとに今日までの経過を整理しておこう。

2000/10/**
(今から1年10ヶ月前)

日朝国交正常化交渉中断
   
2000/06/**
(今から約1年2ヶ月前)
ブッシュ大統領が、対北朝鮮政策の見直しを完了、北朝鮮との対話を再開する意思を表明した。

2001/(08/17?)

(今から約1年前)

田中均氏(大韓航空爆破事件のあと金賢姫と面会した外務省役人)がアジア大洋州局長に就任。田中氏は日朝関係正常化を「ライフワーク」(関係者)と考えていた。
同時期 外務省は田中氏の実質的な指揮のもと、北朝鮮側との水面下での交渉を開始した。
   
2002/01/29
(今から6ヶ月前)
ブッシュ大大統領は一般教書で、「世界で最も破壊的な兵器を持つ最も危険な体制が我々を脅かし続けることを許容しない」として、核兵器または生物・化学兵器の開発疑惑をもたれている朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、イラク、イランの3カ国を挙げ、それら「悪の枢軸」も対テロ戦争の対象として見なければならないと語った。
   

2002/07/**
(今から約1ヶ月前)

 ブッシュ政権は当初、今年七月にケリー国務次官補(東アジア・太平洋担当)が平壌を訪問し、政権発足以来途絶えていた米朝高官協議を再開することを決めていた。しかし、黄海上での南北交戦事件などを受けて撤回を通告。
同時期

日本政府はこのころ、首相周辺は「北朝鮮がロシア、中国など周辺国との関係強化に乗り出したので、日本との関係改善で決断する可能性もある」と読んだ。そして、水面下で北朝鮮から譲歩を引き出す作戦を検討しはじめた(外務省筋の話)。

   

2000/08/17
(約2週間前)

政府内の一部に「北朝鮮は首相の訪問を受け入れるのではないか」との観測が広がった。
その直後 東シナ海に沈んだ北朝鮮船籍と見られる不審船から大量の武器が発見された。外務省は海上保安庁のマスコミ発表を止めた。日朝関係改善を優先。

当時

日本側は、小泉首相の問題解決への意思が北朝鮮トップの金正日国防委員長に本当に伝わっているのかどうか、疑念を抱いていた。
2000/
8/25・26

田中局長の発案でピョンヤンで開かれた日朝外務省局長級協議の場を利用して、小泉首相から金正日国防委員長への「メッセージ」を送ることにした。「一国の首相名で出すメッセージがどういうルートで伝わるか、それを試す」趣旨であった。

2000/08/26 夜のパーティでカンソクチュ第一外務次官が金正日国防委員長からの「勇気付けられるメッセージであり感謝したい」とする言葉を日本側に伝えた。
同日 日朝局長級協議の場で、金正日総書記側近のカンソクチュ第一外務次官が「包括的にトップ会談をやりましょう」と田中均外務省アジア大洋州局長に持ちかけた。
同日 田中均外務省アジア大洋州局長、帰国
2000/08/27 小泉首相は首相官邸でのアーミテージ米国務副長官との会談で「今度、北朝鮮を訪問し、金正日総書記と会談したいと思う。自分が行って局面を打開したい。ブッシュ米大統領にもきちんと伝えるつもりだ」と告げた。
   
2000/08/28

首相官邸で田中局長が小泉首相に北朝鮮の融和姿勢をとき「今が訪朝の好機」と訴える。小泉首相は「よし行こう」と訪朝を最終的に決断した。

同日 首相は、米国、韓国、中国、ロシアの各首脳に訪朝の意向を伝えた。
2000/08/29 中国の武大駐日大使が報道関係者との昼食の席で「明日夕方までに動きがあるらしい。何かわからないが」ともらした。
2000/08/30

小泉首相が首相官邸での記者会見で、9月17日に朝鮮(DPRK)を訪問し国交正常化交渉再開の可能性を見出したい、と発表した。

外務省は「成果があるといえる確信はない」と明言。今回の交渉が出たとこ勝負の面が強いことがうかがわれる。

   
2000/09/12 【予定】小泉首相はニューヨークで日米首脳会談を予定。
2000/09/17 【予定】小泉首相が朝鮮(DPRK)平壌を訪問、金正日国防委員長と会談。
20000/0918 【予定】南北縦断鉄道京畿線、「東海線」の沿線道路の連結工事を南北で同時着工。