2002年 2月 4日 月曜日

意外と近い沖縄口


 
陳情口説(沖縄伊江島)から
 はるぬ (はたけの )まんまる(まわり)金網()

 丸くみぐらち(めぐらせ)
 うぬ(そば)に鉄砲かたみてぃ 番 さびん(している)

 真謝ぬ(まじゃの)部落の人々(しとぅびとぅ)

 うりから政府ぬ(政府の)方々に

 う願えぬ(おねがいの) だんだん話ちゃりば

 沖縄口(ウチナーグチ:沖縄語)では、「そのそばに」を「うぬすばに」と言い、「それから」を「うりから」と言う。沖縄口では本土語のエ段がイ段に変わり、オ段がウ段に変わるので、「うりから」は「おれから」、「うぬすばに」は「おのそばに」と考えられる。

 こうみると、「おれ」や「おの」の「お」は、どうやら「ほれ」の「ほ」と同じ系列の言葉であることが分かる。「ほれ」とか「ほんなら」だったら関西一般で使っているし、関東でも「ほら」なら普通の言葉であるが、忘暮楼が育った愛媛県南部地方(南予地方)のある町ではもう少し広い使い方をする。

 「それ」を「ほれ」、「その」を「ほの」、「そっち」を「ほっち」、「そこ」を「ほこ」、「そうだから」を「ほやから」、というのだ。「それからその本はそこへ置いておいてください」は「ほれからほの本はほこい置いちょっちやんなはいや」となるわけだ。

 この「ほ(ho)」の「h」が脱落したのが沖縄口の「お」つまり「う」だと気づけば、「うぬ側」も「うりから」もなんと近しい響きであることよ。


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