2000年 12月13日 水曜日

 水野広徳 2


   前坂俊之編『海軍大佐の反戦 水野広徳』(1993年、雄山閣)は、「翻訳」物だった。漢文調で書かれていた松下芳男著『水野広徳』(1949年、四州社)を一般に普及させるために「現代語」に訳出したものだそうだ。

 文中ときおり漢文調の口調が現われるので面白い文体だなあと思っていたのだがこんな事情があったのだった。ともかくも、この「現代語訳」のおかげで楽に読むことが出来る。

この人は大変な人物だと思う。大正11年48歳で短剣を解き軍服を脱いで、評論家として日本軍国主義に対峙したのであるが、その主張は公正かつ沈着、日本人の進むべき道をくっきり示している。

 ところで、この本の裏表紙見返しをみると、二人の友人が読後感を書いてくれている。紹介しておく。

 
 

我が郷土にかくも偉大な先輩がいたことに驚くとともに,人柄も気に入りました。


佐々木 泉(1995年9月22日) 

 

 佐々木泉さんは現愛媛県議会議員(日本共産党所属)である。

 
 

言論統制下での生き方に感激した。ものが言える時代にはっきり主張する大切さ。

籠 正二(1995年9月29日) 

 

 籠正二さんは職場の同僚である。尾上の「尾」と、「籠」を合体すると「尾籠(オコ)」となる、というぐらいの因縁深い友人である。

 どうやら、私が「これは良書!」と回覧したらしいのだが、回した本人は今初めてページを繰るような「新鮮な」気持ちで読んでいる。以前はいいかげんな読み方をしていたのであろう。恥じ入るのみ。