2000年 11月28日 火曜日

 今日は明治133年11月28日


   「日本の近代2 明治国家の建設」(中央公論社)の筆者坂本多加雄さんが下した日本帝国と日本国の断絶と連続の問題についての結論(p378)は次のようなものであった。

 
 日本国憲法では帝国憲法下と同様、依然として
  1. 天皇が法律や条約を公布している
  2. 天皇が国会を召集している
  3. 天皇が衆議院を解散している
  4. 天皇が大赦特赦を認証している
  5. 天皇が栄典を授与している
 これは、内閣の「助言と承認」によるが、じつは、この規定は、帝国憲法の国務大臣の「輔弼(ほひつ)」に由来するのではないか。

このことを前提に、

  1. 国会が「国権の最高機関」であると宣言
  2. それに基づく議院内閣制の規定
  3. 天皇が国会の使命に基づいて総理大臣を任命する

 といった「国民主権」の意味を考えると、それは議会が長い歴史を経てついに天皇に最も近い距離に位置することになったあらわれと見ることができるのではないか。 

 私たちは、戦争をはさんで大きな変革に際会しながらも、明治国家とともに形成された政治的伝統の中に依然としているのではなかろうか。

 日本のさまざまな分野の権力者たちは、つねに、天皇との最短距離を確保することでその権力を正当化してきた。その政治手法は今日の日本国憲法においてすら変わっていない、というのである。