2000年 10月日 土曜日

 政党を選ぶか、人を選ぶか


   参議院選挙比例代表制が「非拘束名簿式」になった。自公保のジコチュー立法である。この三党はみな斜陽政党で、選挙制度を変える以外に劣勢を建て直す方途もなく、「手続きが正しくて賛成が多ければ議論は不要、採決!採決!」と最短距離の強行採決である。強行突破が常態化して、国民は怒ることも忘れている。

 この「非拘束名簿式」という選挙制度は国民の中に広範にみられる「政党より人を選ぶ」という投票行動に注目した制度で、与党三党は「候補者の顔が見える」制度と自画自賛している。実際は、よく知られているように集票力のある人を候補者に立て、その人の集め(過ぎ)た票で他の候補者の不足分を補おうという制度だ。集票力のある特定の候補に投票する人にはもう1票「おまけ票」を投じさせるのであるから常軌を逸している。

 力士が議員になって「相撲界より汚い政界」を語ってくれたり、スケート選手が議員になって出産休暇で有名になったり、漫才師が議員になって、ついでに破廉恥行為をやるための特権を得ようと(?)知事にもなってみたり、いろいろけったいな選挙があった。それでも、投票するほうは「わたしは政党に投票したんじゃありません、人物にほれ込んで議員にしたんです」と自己満足できた。以前の参議院全国区でタレント候補が何百万票とったとしても、それはあくまでもそのタレントの得票であった。政党にとっては、得票率の底上げには役に立ったかもしれないが、1議席は1議席だった。 

 こんどの「非拘束名簿式」では「自民党候補Aさんへの投票は自民党への投票です。どうかAさんに清き一票を投じて自民党の他の候補も当選させてやってください」というのである。その意味で新方式は「政党より人物」という投票行動を事実上封じることになるにちがいない。

 これで自民党や公明党は有利になるはずはない。私は新制度はいずれ自民党や公明党の首を絞めることになると思う。