2000年8月28日 火曜日

トルーマン大統領への覚書(2)


   つづいてスティムソン陸軍長官はこの核分裂兵器の近代文明に与える影響に警告を発する。

 

5 技術の進歩に対する道徳的進歩の現状からすると、世界は究極的にこのような兵器によって意のままにされることになるであろう。つまり、近代文明は完全に破壊されてしまいかねないのである。

 

 技術は飛躍的に進歩しているが、道徳の進歩は遅々たるものだ。だから道徳的検討がされないまま新しい技術が使用される。この兵器の場合、そのような使用は、単なる軍事的な破壊に終わらず、文明的な意味での破壊となるというのだ。

 スティムソン長官はつづいて、戦後の国際政治においてはこの核分裂兵器の扱いが中心的な課題となると予言する。

 

6 これから検討されることになる世界平和機構がどのような形態のものになるにせよ、わが国の指導者たちが、この新しい兵器の威力を認識することなしに、その問題に取り組むことは、およそ非現実的なことになるであろう。

 これまで考えられてきたいかなる管理体制も、この驚異を制御するには十分ではない。この兵器の管理が、一国内においても国家間ににおいても、もっとも困難な問題となることは疑いないところであり、従来まったく考えられなかったような徹底的な査察件と国内管理とが必要となるであろう。

  イラク、朝鮮(DPRK)への内政干渉的な核査察要求はこの段階で予定されていたわけだ。
 スティムソン長官はさらに合衆国の道義的責任に言及する。
 

7 さらに、この兵器に関するわれわれの立場からして、他国にもこの兵器に関与させるか、もし関与させるとすればいかなる条件の下でかという問題が、わが国の大きな外交課題となるであろう。また、根治戦争およびこの兵器開発における指導的立場に伴い、われわれには一定の道義的責任が課されているのであって、この責任を回避することは、文明の破壊をもたらす重大な責任をまぬかれないであろう。

8 他方、この兵器の適正な使用に関する問題が解決されるならば、世界の平和とわれわれの文明を救う方向へと世界を導く機会を得ることができよう。

9 グローヴズ将軍の報告書で指摘されているように、機密保持がもはや効力を失った際に、わが行政府および立法府がとるべき措置について観光する特別権限をもつ委員会を設立するための準備が進められている。この委員会はまた、戦後問題を予想し、あらかじめ陸軍省がとるべき手段についても勧告することになるであろう。もちろん、同委員会の韓国はすべて、まず最初に大統領に提出されることになるであろう。

 以上が1845年4月25日付けのスティムソン陸軍長官からトルーマン大統領に渡された覚書である。

 トルーマン大統領はこの覚書で初めて核分裂兵器の開発を知り、その問題点を知った上で、まもなく広島、小倉 ……への投下を決定したのだった。

 この覚書を読めばこの兵器が「戦争を一夜で終わらせるため」、「犠牲者を最小限に押さえるため」だけに投下されたとする退役軍人たちの主張の幼稚さがよくわかる。パンドラの箱を開けたあとで、「中を掃除しようと思ったのだ」と言い張っているようなものである。

 それにしても、この明晰なスティムソン長官の覚書にはこの兵器の放射能被害については一言も触れられていない。これもまたパンドラの箱に忍んでいた災いのひとつであった。


天気曇り 
昨日の出来事◆ユーザーからのclaim隠しで三菱本社など5箇所を道路車運送車両法(虚偽の報告と陳述)の疑いで家宅捜査。◆WBCスーパーフライ級タイイトルマッチ12回戦で洪(高山)昌守(25)=在日朝鮮人三世が王者のチョ仁柱=韓国を3-0の判定で破った。◆文部省、公立校の「不適格教員」排除へ制度強化。来年の通常国会で法整備。◆埼玉県警泥酔者を放置。死亡。「発見時死亡」との虚偽報告書で隠蔽。◆京都府警、倒れている女性を放置。死亡。
今日の出来事◆夜NHKデレクター横山さんとあう。固いやきそばまで一緒。

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