2000年8月19日 土曜日

一人十色


   テレビ番組で誰かが「もう、十人十色というより一人十色でねえ、にぎやか過ぎるほどだった」としゃべっていた。「一人十色」というのが印象的だった。

 最近の子供たちの事件を見ていると、子供たちがどんな気持ちでいるのか理解ができない。校長たちは事件のたびに「こんなことをするような子ではない」と弁明しているが、このように子供が理解できない原因が、「人間は一人一色」という認識にあることも確かだ。

 「自分はナニモノである」という認識をidentityと言い、identityの確立が子供たちの課題とされているが、これも「一人一色」式の自己理解であるに違いない。

 しかし、事実は違うのだ。一人の心の中に十人分くらいの心が住んでいる。そこに包丁があったばかりに殺してしまったり、愛するがゆえに殺したり、自尊心と劣等感がしっかり共存していたり、いい子が一番怖かったり、……つまり「一人十色」なのだ。

 忘暮楼が毎朝読んでいるお経は法華経の抜粋であるが、そのなかの「方便品(ほうべんぼん)」に「十如是」というのが出てくる。「所謂諸法、如是相・如是性・如是体・如是力・如是作・如是因・如是縁・如是果・如是報・如是本末究竟等」というのであるが「諸法」というのは「 宇宙間に存在する有形・無形のあらゆる事物」(広辞苑)、「如是」は「〜である」ということ。

 これもたまたま「一人十色」ということのようだが、おもしろいのはその十の自分の姿のうち目に見えるのは「相(色・形)」だけだと言う点だ。宗門の新聞である僧侶がそう書いていた。見えないものの方が圧倒的に多い。ここが肝心だ。


天気曇り 
昨日の出来事◆三原山で最大規模の噴火、式根島で震度6弱の地震回。
今日の出来事◆司教連執行委員会。忘暮楼が執行委員会に出るのは今日が最後だ。◆精華学園が地労委の命令を受け入れることにしたようだ。賢明な選択だと思う。

もどる