2008年5月30日
日本コリア愛媛
08年5月号
老馬新聞

 

【写真】韓国九条の会結成集会のようすです。横幕には「韓半島および東アジア情勢と平和憲法」としたためてあります。記念講演の演題のようです。

 

旧聞になってしまいましたが昨年1117日結成された「韓国九条の会」についてまだ取り上げておりませんでしたので今回取り上げてみたいと思います。

 

昨年1117日付けの共同通信配信のニュースは次のように伝えていました。

 

【ソウル17日共同】憲法9条を守ろうと作家の大江健三郎氏らがつくった「9条の会」の趣旨に賛成する韓国の学者や市民ら約100人が17日、ソウルで「韓国9条の会」を結成した。
 日本の護憲運動を応援するとともに、朝鮮半島で平和憲法を実現することが目標。結成式には日本からも9条の会や被爆者団体のメンバーら約30人が参加した。

 結成の中心になった尹海東・成均館大教授は「平和憲法は日本に侵略された国の人々の平和への願いも含まれた世界の希望だ」と評価。その上で「自らの社会で平和を追求しない者は他国のことにかかわることはできない」と、韓国での平和運動の拡大を呼び掛けた。

 

「韓国九条の会」結成に先立って発表された「呼びかけ」を読みますと、この会がどんな目的で結成されることになったかが読み取れます。

 

9提案文

 

「平和憲法」と呼ばれる日本憲法は1946年11月に公布され、1947年5月に施行されました。その平和憲法の核心は、その前文と第9にあります。第9は日本の「戦争の放棄」「力の不保持」「交戦権の否認」を訴えており2007年6月現在まで一度も改正されたことがありません。その文は次の通りです。

 

1.日本民は、正義と秩序を基調とする際平和希求し、国権たる戦争と、武力による威嚇又武力行使は、際紛解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2.前項目的するため、陸海空軍そのは、これを保持しない。戦権は、これをめない。

 

ところが、現在日本支配層憲法第9理念し、日本軍事大めようとしています。小泉政いだ安倍政平和憲法し、自衛隊正規軍化ろうとしています。にそのために、有利憲法改正のための民投票法成立しました。アメリカの支配アジアの維持するため、日本軍事大めています。このように、日米同盟しつつ、日本平和憲法自衛隊正規軍化自衛隊海外進出められています。これは、不安朝鮮半島アジアの情勢をいっそう不安定にし、アジアの平和かすものです。

 

したがって、たちは朝鮮半島統一アジアの平和のためにも、日本平和憲法阻止する必要があります。これは日本市民だけの課題ではなく、平和希求するびとの共通課題でもあります。日本平和憲法運動は、結果的アジアの平和運動になるでしょう。そこで、これまで日本国内にとどまっていた平和憲法運動を、からも支援することが至急められています。その一環として、平和びとがまって、日本平和憲法第9るたたかいを支援する運動必要だとえました。

 

そこで、たちは「9」を結成し、以下のような活動をすることをびかけます。

第一に、アメリカのアジア権戦便乘して、日本保守勢力めている平和憲法改阻止のための日本市民活動支援すること。

第二に、アジア平和かす日本軍事大阻止するため、アジアの市民びかけること。

第三に、戦争武力行使禁止する日本平和憲法精神は、全世界平和のためにかつ普遍的精神であることをらせること。

第四に、推進されている家主義軍事主義れをめ、市民平和り、戦争武力行使する活動展開すること。

20071023

 

提案者: 金承國/ 丁鍾權/ 盧世極/ 韓錫浩

            e-mail:seung815@kornet.net

 

なお結成集会を取材した松山出身のジャーナリスト角南圭祐さんは当日の会場での韓国人参加者の発言を次のように伝えています(JANJAN)。

 

の顧問となった民族和合運動連合の朱宗桓名代表は「日本の平和憲法は太平洋戦争の後始末として制定された。なる国内法ではなく、世界にする際的約束としての性格を持つ。政干ではないと確信している」と運動の理由を明した。

 また起人の1人、金承国・平和作り代表は「韓半島(朝鮮半島)で統一憲法を作らなければならない。これまで韓では統一憲法について豊かな論議がされてきたが、平和憲法を目指すものではなかった。軍隊を無くそうというと、韓ではとんでもないという反る。それをり越え、日本とコスタリカの憲法を考にした平和憲法をつくりたい。まず韓では軍備縮小、武器輸出禁止、良心的兵役拒否などを盛りんだ平和憲法をつくることを目指したい」と今後の運動目標を語った。

 平和ネットワクのイジュンギュ室長は「日本の平和憲法が形骸化し危機にある今、韓日の市民が連するのはとてもいいことだ。平和憲法は我われの共有財産だ」と話し、「我われは南北統一に向け、どんな平和を望み、どんな平和を作っていくのか考えなければならない」とビジョンを話した

 

これらの発言から「韓国九条の会」結成が新しい韓国を展望する積極的な取り組みであることがわかります。

 

さて、「提案文」の最後にありますように「韓国九条の会」は具体的活動として

1)        憲法9条を守る日本の市民運動を支援する

2)        日本の軍事大国化を阻止するためにアジアの市民の連帯を強める

3)        日本の平和憲法の精神を世界に広める

4)        韓国で戦争と武力行使に反対する活動を展開する

の四つの課題をあげております。このなかの1)~3)は私たち日本の市民にとっても共同してとりくむべき課題ですし、4)は国軍を持ち徴兵制をしく韓国においては困難の多い過大だと思いますが、朝鮮半島の平和的民主的統一というアジア全体の悲願に直結する課題でもあります。

 全体として、今後のニッコリ・愛媛の活動の中で接点を作り出していく必要があると思われます。

 

憲法前文は「平和を愛する諸国民の公正を信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようを決意した」とありますが、この一句は、諸国民に日本国憲法(特に九条)を理解し支持してもらうことによって日本の平和を確保しようとするものですので韓国国民のこのような動きはまさしく日本国憲法が予定していた状況だと考えることができそうです。

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参考までに「大韓民国憲法」のなかの平和・戦争関連の条項を抄出ご紹介します。

1章 総綱

3 大韓民国の領土は、韓半島及びその附属島嶼とする。

4 大韓民国は、統一を指向し、自由民主的基本秩序に立脚した平和的統一政策を樹立し、これを推進する。

5 大韓民国は、国際平和の維持に努力し、侵略的戦争を否認する。

 国軍は、国の安全保障と国土防衛の神聖な義務を遂行することを使命とし、その政治的中立性は遵守される。

2章 国民の権利及び義務

 軍人、軍務員、警察公務員その他法律が定める者が、戦闘、訓練等職務執行と関連して受けた損害に対しては、法律が定める報償以外に、国家又は公共団体に対して、公務員の職務上の不法行為による賠償は請求することができない。

 国家有功者、傷痍軍警及び戦没軍警の遺家族は、法律が定めるところにより、優先的に勤労の機会を与えられる。

 法律が定める主要防衛産業体に従事する勤労者の団体行動権は、法律が定めるところにより、これを制限し、又は認めないことができる。

39 すベて国民は、法律が定めるところにより、国防の義務を負う。

60 国会は、宣戦布告、国軍の外国への派遣、又は外国軍隊の大韓民国領域内における駐留に対する同意権を有する。

4章 政府

1節 大統領

73 大統領は、条約を締結し、批准し、外交使節を信任し、接受し、又は派遣し、宣戦布告及び講和を行う。

74 大統領は、憲法及び法律が定めるところにより、国軍を統帥する。

 国軍の組織及び編成は、法律で定める。

76 大統領は、内憂、外患、天災、地変又は重大な財政上、経済上の危機において、国の安全保障又は公共の安寧秩序を維持するために緊急の措置が必要であり、国会の集会を待つ余裕がないときに限り、最小限に必要な財政、経済上の処分を行い、又はこれに関して法律の効力を有する命令を発することができる。

 大統領は、国の安危に関係する重大な交戦状態において、国家を保衛するために緊急の措置が必要であり、国会の集会が不可能なときに限り、法律の効力を有する命令を発することができる。

 大統領は、前2項の規定による処分又は命令をしたときは、遅滞なくこれを国会に報告し、その承認を得なければならない。

 前項の承認を得られなかったときは、その処分又は命令は、そのときから効力を喪失する。この場合、その命令によって改正又は廃止された法律は、その命令が承認を得られなかったときから当然に、その効力を回復する。

 大統領は、前2項の事由を遅滞なく公布しなければならない。

77 大統領は、戦時、事変又はこれに準ずる国家非常事態において、兵力をもって軍事上の必要に応じ、又は公共の安寧秩序を維持する必要があるときは、法律が定めるところにより、戒厳を宣布することができる。

 戒厳は、非常戒厳及び警備戒厳とする。

 非常戒厳が宣布されたときは、法律が定めるところにより、令状制度並びに言論、出版、集会、結社の自由及び政府又は法院の権限に関して、特別の措置を講ずることができる。

 戒厳を宜布したときは、大統領は、遅滞なく国会に通告しなければならない。

 国会が、在籍議員の過半数の賛成により、戒厳の解除を要求したときは、大統領は、これを解除しなければならない。