2000年8月4日 金曜日

徐京植(ソ・ギョンシク)さんに尋ねたこと


   昨日の「大日本帝国」の問題について、「松山大学国際フォーラム97」の事前研究会(1997/10/29)で当日の講師をなさっていた徐京植さんに質問してたことを思い出した。このときの徐京植さんのお答えは私にとっては「目から鱗」とまではいかなかったが、ずいぶん頭の整理になったのだった。ところがいまそれを読み直してみると今度ははっきり「目から鱗が落ちる」思いがした。私の頭脳の歩みの遅さを物語っているのだが、尊敬する徐さんが忘暮楼の悩みに直接丁寧に答えていただいたお宝的なお話でもあるので紹介しておきたい。

 まず、忘暮楼から徐(ソ)さんへの質問である。

  (前略)僕自身、この席に非常に似合わないかもしれないような基礎的なことなんですけど、わからないことがあるんです。できたらどう考えたらよいか教えていただきたいと思います。

 大日本帝国が推進した戦争の戦没者にね、僕らがいま年金を払っているわけですよね。で、これが、私にはわからないんですよね。なぜ侵略戦争で死んだ人のなかで、戦争や空襲でたくさんの日本人が死にましたけど、よりにもよって、戦没者だけ__ドイツはちょっと違うようですね__日本は戦没者のためだけにね、戦後の新しい国で生きてきた、青の戦争には何の責任もない私たちが、なぜ税金を払わなければならないのか、けしからんと思うんですよ。

 大体日本帝国は1945年に崩壊したんだと。よく、韓国・朝鮮(DPRK)が「日帝時代の……」ということを言いますけど、あの言葉は日本人が使わなきゃいけないんじゃないかと思いますね。「日帝時代はこうだった」と。「日帝時代だからこそ、日本が兵舎へ強制連行されて、兵隊にされて、あちこちで人も殺したけど殺されもした」というふうに日帝時代という言葉を僕らの方で使ったほうがいいんじゃないかと思うんですよ。

 それで、日本帝国と今の日本は断絶しているんだ、と思いたいわけです。断絶しているのだから、戦没者の遺族の年金は当時の主権者である天皇が支払うべきだ。われわれが支払うのは筋違いだ、そう思うのです。

 ところが、そう考えるとですね、いわゆる従軍慰安婦の謝罪とか賠償の問題も現在の政府に責任がなくなってしまう。国家が断絶しているのなら、これができなくなってしまう。それはおかしい。やはり、日本政府が謝罪すべきだ、そんな考えが自分の中にある。この場合は、国家として連続しているという意識が僕の中にあるんですね。

 つまり、一方では「日帝時代は崩壊したんだ」「断絶があるんだ」と思い、一方では「責任とらんといけない」「責任は連続しているんだ」と思うわけで、もうこれは完全に自己矛盾に陥っているわけです。この辺をどう折り合いをつけていくべきか、このあたりについて、何かお話していただければと思うんですけど……よろしくお願いします。


天気晴れ セミしきり 
昨日の出来事◆千葉すず選手のCASへの提訴棄却。でも、なめるなよ!という点では現代日本への影響大。◆県警本部長交代。前任東川氏は1999年2月から2000年8月まで1年半のみで警察庁長官監房室へ。宇和島誤認逮捕事件で県警関係者不処分にして県民の非難を受けた人、これは栄転なの?左遷なの?◆日本の人口、1億2607万1305人(2000・3・31現在)、前年より0.37%増。愛媛は5335人減。◆名古屋刑務所から受刑者全員1911人分のリストが流出。◆筑波大学付属病院、間違えて別の患者の肺の3分の1を切除。◆警視庁の1月から6月までのまとめ、「犯罪急増、摘発減少」。少年の殺人倍増。
今日の出来事◆『アイデンティティ・ポリティックスを越えて』(金泰泳・世界思想社)に取り掛かる。◆墓参。初めて伊予-大洲自動車道をはしる。墓の掃除をしてお経を上げた。二宮からイモやウリの漬物やさまざま頂いた。◆松山・日本コリア協会理事会。第3回韓国歴史旅行の参加者8名とのこと。松原事務局長にご苦労をかける。あと一杯会。◆例の松山「南北会談」の日時が正式に決まった。何とか結実させたい。忘暮楼は終日興奮気味である。

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