1909(明治42)年1月30日 

●漁業聯合組合評議会
(1月28日県会議事堂で遠海出漁団体聯合会評議会が開かれた。出席者は会長久保弘道、副会長村上紋四郎、同辻右衛門、理事斉藤基良、評議員11名。評議員の中に赤松泰苞の名がある。以下決議案の大要)
▲移住地経営の件 
満韓沿岸通漁の時代は既に経過し去て今や正に永久的移住漁業の時期となり 各府県は競ふて根拠地経営に全力を傾注しつ丶あり 本県亦夙に其の必要を認め 去る三十八年以来県庁及本会に於て移住奨励の第一着として任意移住者に対し一戸五十円を補助し今日迄に家族を拉へ居を移すもの四十戸一百一人に及び 尚目下出願中のもの四十六戸の多きに達せり 是に於て本会は益々根拠地経営の必要を感じ過般来先づ地を慶尚南道漆川島及び蛇梁島の二ヶ所に下し 役員をして土地購入のことに着手しつ丶あり 右購入の上は四十二年度に於て 住屋三棟十二戸を建築し 爾後年々之を継続して初期の目的を遂行せんとす
▲移住者選択方注意の件
移住漁業者の選択方に付ては頗る注意を要するものあるを以て 曾つて評議員会に於て協議せしことあるも従来移住せしもの丶実況に顧み遺憾の点少からざるを認む 依て今後組合員にして移住を希望するものに対しては一層の注意を払い 殊に今回経営せんとする根拠地に移住するものに付ては最もその性行其他の点に留意 後進者の模範となるべきものを選択せられんことを望む
▲韓国漁業法実施準備に関する件
曩に発布せられたる韓国漁業法は将に本年四月一日より実施せられんとするもの丶如く 各府県当業者は該法の規定に基き漁業権の享有其他の準備に関し頗る注意を払いつ丶あり 由来本県の出漁者は韓国沿海各地に於ける先進者として往々漁場を開発し専用的漁業の事実を有するもの多く之が漁権の享有は現在及将来に於て出漁の消長に関し 恰
(あたか)も内地に於ける夫の三十五年漁業法実施の当時と同一の状態に在るを以て 本会に於ては不日役員を韓国へ派して大に斡旋する所あらんとす 仍(よつ)て此の際各組合員に対しては充分注意を与え 可成速に諸種の了せしめ万一失期の為め永遠の不幸を見るが如きことなき様配慮あらんことを望む
▲独立出漁を奨励する件
関東州に於ける本県出漁者の数は全国中の第二位を下らず其の漁獲の成績は亦良好なるに不拘 当業者の所得は頗る僅少にして往々次年の出漁を躊躇するものあるの実況なり 個は畢竟本県の出漁者の多くは夫の組付と称え資本主より前借をなし 之が償還を誅求せられ 且つ諸多の点に於て常にその検束を受け 随て当業者の利する所を減殺せらる丶に由る故に可成的出漁者をして独立自営の小策を弄せず立てしむることに注意せられんことを望む

※愛媛県最初の移住漁業根拠地経営が予定された慶尚南道漆川島(チルチョンド)の位置




















































※同じく愛媛県最初の移住漁業根拠地経営が予定された蛇梁島(サリャンド)の位置
(蛇梁島=サリャンド=紹介サイト)































2007年月日
海南新聞
1909(明治42)年
1月30日
老馬新聞