人道主義
 
  2000年6月11日日曜日  
  人道主義 その2

トルコや台湾に地震が起きたような場合、たくさんの日本人が気持ちよく義捐募金の訴えに応じています。しかし、こと北朝鮮の食糧危機への人道支援ということになると、飢えた子どもたちの写真を見せられてもつい躊躇してしまう。はっきり反対する人もいますね。

 躊躇したり反対したりする理由がまたもっともなのです。よく聞くのは

  1. 北朝鮮による日本人拉致問題があるのに支援なんかできない。人道にもとることを平気でやるような国に人道支援なんかできるわけがない。
  2. 救援物資や義捐金を送っても軍隊や役人が横取りするそうじゃないか。韓国に不法入国した潜水艇からアメリカ製子供用ミルク缶が見つかった。危険な朝鮮軍を支援するようなことになることはしたくない。
  3. 北朝鮮の食糧危機はそもそも金日成主席の「主体思想」による経済政策の失敗が生んだ構造的な危機なんだから、食糧支援をしても焼け石に水だ。政権の崩壊を促進する方がましだ。
といった意見です。

 忘暮楼自身も9ヶ月前まで 2 のような考えでした。しかし思うところあって、昨年の10月から、世界食糧計画という国連機関に毎月幾ばくかずつ送金して北朝鮮人道援助に役立ててもらうことにしました。 [北朝鮮のこども]

 その「思うところ」というのが情けないことに「思考停止しよう」ということだした。
 北朝鮮の子どもたちが致命的な栄養不良に陥っていることは疑いようがないのだから、さまざまな疑惑についてはとりあえず「思考停止して」、懸命に救援活動にあたっている国連機関を信用してみよう、と考えたのです。

 後になって右の写真(ハンクネットのサイトから無断借用してます。すみません。これは名作ですね。クリック→拡大)などに接することになって、この「思考停止」でよかったと満足しています。

 人道的な対応にはつねに「思考停止」のような過程が付随するのではないでしょうか。そもそも、行動は常に何らかの「思考停止」を内包していますもんね。
 「思考停止」して行動に移る前に、できるだけ情報を得ておきたいとは思いますが、あまり情報が多すぎると動けなくなることもあるくらい。難しいところです。

右の写真の出所は
ハンクネットジャパン
ハンクネットジャパンの写真集 です。