2000年03月11日(土曜日)
有明海のタイラギ漁のルーツ


 島原(長崎県)の縁者の家でタイラギをご馳走になった。(写真)

タイラギの内臓

 有明海は昔からタイラギ漁が盛んで、この家のご主人(中央)もタイラギ漁の潜水夫だったのだそうだ。

 愛媛沖の瀬戸内海も全国的に知られたタイラギの漁場の一つで、有明の潜水夫もここまで足を伸ばす。先年、瀬戸内海でタイラギ漁中の潜水夫がサメに襲われて命を失ったことがあったが、あの潜水夫も有明の島原近くの漁民だった。

  さて、この潜水夫によるタイラギ漁の技術は実は、植民地時代の朝鮮がルーツなのだそうだ。

 「潜水は韓国人から教えてもらったんですよ」
ご主人の話は明快だ。

 ご主人の話をまとめると、

 …戦時中の昭和17年に、タイラギ漁のために韓国(ここのご主人は「韓国」「韓国人」という)から潜水夫に来てもらうことになった。船は日本人の船で、船に乗るのは韓国人。船の上で手押しポンプを押すのも、海底で漁をするのも韓国人である。

 この頃、船主の日本人は年間1500円くらい稼いでいた。1000円余りあれば立派な家が建った頃の話だ。
 そのうち日本人も潜水の技術を教えてもらうようになった。そうこうするうちに戦争が終わり、韓国人たちは国に帰っていった。その後、日本人だけで潜水漁をするようになり今に至っている、…

 そういう話であった。潜水は、あるいは済州島あたりの海士の技術だったのかもしれない。

 忘暮楼がいただいたタイラギは実は有明産ではなく、韓国からの輸入物なのだそうだ。いまでは有明海のタイラギ漁は不漁つづきで、昔からあった加工業者は、韓国からタイラギを貝ごと輸入しここで商品化しているのだという(有明町漁業共同組合のすぐ近くに「丸政」という大きな加工業者がある)。

 なにかと韓国に縁の深い土地である。

 

タイラギの内臓(貝柱以外の部分)               

 酢味噌で頂く。実にうまいものである。