2001年 12月30日 日曜日

サンシン年の瀬


 来年は午年で還暦だ。それで息子の恋人(デザイン業界の仕事をしている)に私のホームページの表紙絵をお願いしていた。タイトルも還暦記念で「忘暮楼の老馬新聞」とした。数日前にそれが出来上がってメールで送ってくれたのだが、新年が待ちきれず今日からリニューした。目のパッチリした老馬が私、背中に乗っている猫が「フクチャン」、歩いているのが「ナナ」である。

 猫の年齢(X)はY=4X+16の数式で人間の年齢(Y)に変換できる。「ナナ」は来年は11歳だから、彼女も私と一緒に還暦を迎えることになる。

 さて、気忙しい年の瀬だがあいも変わらずサンシン修行が続いている。幸い、妻が「ホームステイ」中だから家のことはほとんどしない。たまに洗濯物を干したり、「かきご飯」を炊いたりする程度である。

 今練習しているのは『めでたい節』という祝い歌である。前にも書いたが、まず歌が歌えるようにしなければならない。CDを何度も何度も聞いて練習する。「耳」のいい人ならすぐに覚えられるのだろうが、私の場合はちゃんと歌えるまでにどうしても3週間から1ヶ月程度かかってしまう。

 歌えるようになったら、サンシンの伴奏の練習に取り掛かる。これも何度も何度も繰り返す。音楽のY先生が言ってたように100回弾いて100回間違わないまでに練習をしなければならないのだが、これもなかなか難しい。

 お師匠さんにはサンシンの「スタミナ」をつけろといわれた。というのが、沖縄の歌は結構長くて、4番5番と続くものが多い。私などは、1番2番はまあまあ引けても、4番5番となるとめろめろになってしまう。これを、何番まで弾いても崩れないようにせよというのである。

 来春のテーマ曲に選んでいるのが『陳情口説』またの名を『乞食口説』ともいうらしい。戦後の沖縄県伊江島の米軍土地収用反対の戦いのなかで野里竹松という老人(60歳)によって歌い始められ、沖縄全島を巡る伊江島島民による大キャンペーン『乞食行進』のなかで仕上げられた歌である。

さてィむ世の中 あさましや いせに話さば 聞ちみしより

(まことに世の中というものは あさましいことだ 仔細に話すから 聞いてください)

沖縄御同胞 うんぬきら 世間にとゥゆまる アメリカぬ

(沖縄のみなさん お聞きになってください 世間に鳴り響く アメリカの)

アメリカぬ人々 わが土地ゆ 取てィ軍用地 うち使てィ

(アメリカの人々が 私の土地を取りあげて軍用地に すっかり使ってしまい)

 
 というふうに続いていく。これを「上り口説(ヌブイクドゥチ)」という曲のメロディーに乗せて歌うらしい、というところまではたどり着いた。ここにたどり着くまでに9ヶ月かかった。非常にポピュラーな「口説」に載せて歌うということは『沖縄の民謡』(新日本出版社)で知っていたのだが、「口説」といっても非常にたくさんの種類がある。実際はなんという「口説」に載せたのかいろんな人に聞いたがなぜか分からなかった。

 たまたま最近かった沖縄民謡のCDを聞いていたら、『沖縄の民謡』で楽譜で示してあったメロディーが「上り口説」と同じであることに気が付いたのだった。それで、いまその楽譜(工工四)を取り寄せているところである。来年も近所迷惑な年となりそうだ。  


へ戻る Contentsへ戻る