2001年 12月14日 金曜日

不便さの美しさ


 通勤路の途中に1箇所、車の離合が難しいところがある。この隘路は数十メートルの長さなのだが、向うから車が入ってきているのにこちらからも無理やり入ると真ん中当たりでお互い腹を立てあうことになる。

 そこでこの隘路を常用している人たちは、適当に譲り合って、一方が隘路の入り口で止まって何台か通過するのを待つ。自然に生まれた「シキタリ」だ。先に通過させてもらった車は隘路の出口で待ってくれている車にチョット手を挙げて感謝の気持ちを表す。

 この隘路は、道路拡張に協力しなかった意地っ張りな地主がいたから生まれたものなのかもしれないが、その「意地っ張り」が生んだ不便さが、この道の出入口に絶え間なく美しい人間関係を生じさせ続けている。ここを通るとき、時折、便利さや不便さの本質的な意味を考えさせられるのである。

 

 


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