2001年 11月26日 火曜日

指導困難な事例


 商業コースの責任者から「指導困難な事例」があったら出してくれ、との求めがあったので下のような報告をつくっておいた。私が担当している5クラスの中でダントツにてこずっている2年生Pクラスの事例を取り上げた。

 商業コースの2年生は、ただでさえ勉強不足の生徒たちをさらに選別して2クラスを編成したのであるが、Pクラスは、そのうち  厳しく指導した方がよいと思われる生徒たち(どう表現すればいいのか?)  を中心に編成したクラスである。

 むつかしいクラスになるのは必定であったが、ベテラン教師が担任を担当することによってなんとか学校らしい生活をさせてやろうということだったのだろう。しかし、実際は毎日悪戦苦闘の日々のようである。この先生にとってもこんなクラスははじめての経験なのではなかろうか。

 はっきり言って、クラス編成の間違いだと思う。生徒にそれとなく「あ、おれはボロイ生徒の一人なのか」と自覚させておいてしかも奮起を求めようとするのは、「木に縁って魚を求む」の策である。

 一人一人の生徒がそれなりにやる気を持っていて、一対一で指導すれば確実に目を輝かすし、誉められれば必ず行動が変る。こんなことは分かりきったことなのだ。それなのに、それを偏ったクラス編成などでつぶしてしまうのは愚かしいことであり、親にたいする背信でもある。

 本文中「周到な原因の分析」と書いたのはもちろん「学級編成」のことである。

指導困難事例

 商業科2年Pクラスが授業崩壊の状態である。

 教室に入ると過半数の生徒、あるときはほとんどの生徒が熟睡している。委員長も寝ているからまず委員長を起さなければならない。委員長が起きると次は他の生徒を起こさなければならない。

 しばらくして委員長が小さな声で「れい」とか言うと、他の生徒は全くいいかげんな「れい」をしてどどどと席にへたり込む。そのまま寝る生徒もいる。

 授業を始めようとしても教科書やノートを出している生徒はごく少数である。そこで今度は教科書とノートを出させるのに一苦労しなければならない。

 教科書を読むときでも前の席の生徒が読んでいて次に自分が当たるのが分かっていても寝ている。自分の番がくると「どこから?」と前の席の生徒に尋ねる。

 現在夏目漱石の「こころ」をやっているのだが、一節を読み終えると「あらすじ」を書くという課題がある。この課題を提出する生徒が3分の1くらいにとどまっている。途中で眠ってしまう生徒が多いのである。

 以前は私語で悩まされたPクラスだが、今は「学習意欲の喪失」というか「学習放棄」というか、服装指導やヘア指導以前の問題で悩まされている。

 国語の場合生徒の学習意欲を反映するのが「校内漢字検定」であるが、商業科2年Pクラスの成績の凋落ぶりははなはだしい。ここにもPクラスの生徒たちの現在の全体的な雰囲気が如実に表れていると思う(Qクラスも要注意状態である。Pクラスの1年次のレベルにまで落ちている)。

商業科2年Pクラス漢字検定成績 

1年次同メンバーの平均点 69.5
二年一学期の平均点 60.5
二年二学期の平均点 37.2

<参考>商業科2年Qクラス漢字検定成績

1年次同メンバーの平均点 82.6
二年一学期の平均点 82.9
二年二学期の平均点 67.9

 現状は以上のようなものであるが、これを立てなおすのは至難の業に思える。打開策を得るためには、当たり前ではあるが、原因の周到な分析が不可欠であろう。
(国語・尾上 記)


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