2000年01月20日(木曜日)
キュウフリ問題をめぐって教職員組合の若手役員へ 2 

  

第2のまちがい 全員対象のキュウフリは権利侵害だった

 キュウフリ化についての組合員アンケート調査では、賛成が55、反対が32、白票が2という結果だった。ちなみに忘暮楼は賛成の意思表明をした。

 この段階で、組合役員は、キュウフリの実施において組合の同意は必要条件にしかすぎず、本人の同意がなければ実施できない、ということを知らなかった(原則の看過)。だから、組合が同意すれば新田の教職員全体がキュウフリに移行すると思っていたようだ。つまり、この段階に議論されていたキュウフリは「全員を対象とするキュウフリ」であった。このことは、組合新聞(1/12)が、、学園事務局から「一月末までに全教職員の口座申請書を提出願いたいとの連絡をうけております」として、組合員の「ご理解・ご協力」を呼びかけているのをみてもわかる。

 キュウフリ反対が32というのは相当に重い。36%である。アンケート結果で回答内容を決めようと思っていた組合役員は困ったとおもう。

※そもそも、アンケートは組合の意思決定の手段ではない。この点はここでは触れないが重要な問題である。アンケートのような、十分な資料の提示、質疑応答、討論のない条件での意思表明は、執行委員会や組合大会の意思決定の参考資料として扱われるべきものものであり、意思決定の方法とはなりえない。

 困った役員は困ったと言えばよかったのだが、「回答は義務」という誤認があったので、なんとか結論を出そうと思った。そして、「多数決が最も公正であろうと執行部は判断」(組合新聞)した。

 「公正な判断」を下した瞬間、本質的なまちがいが露呈した。
 それは先にも述べたが、「全員対象のキュウフリ化」が、キュウフリを好まない労働者の「現金支給」請求の権利を奪っていることだ。当然すぐに「私は現金支給してもらいたい」と要求する組合員が現れたのである。

 支払われた賃金をどう扱うかは労働者の自由である。
 例えば、賃金を袋ごと配偶者に渡してもよいし、賃金の一部を現金で渡すのもよいだろうし、全く渡さないで処理する場合(忘暮楼はこのケース)もあるだろう。給料袋を神棚に供えて家族で拝むのもなかなか教育的だ。こういうことはそれぞれの家庭の、まあ文化のようなものである。早い話が、配偶者に対して、なにかインチキのようなものをかまして、お小遣いを捻出していたとしても、それはそれとして組合や経営者が道徳家ぶってうんぬんすべきことではないわけだ。

 「全員対象のキュウフリ」を実施することで、学園や組合が、結果的に個々の家庭の慣習に干渉し、家庭に不要な波風を立てる権利は、経営者にも組合にも絶対にない。


 そのほか、少数意見をとおして問題点を把握するといった作風、多数決(多数者優遇の意思決定法)の意味などについても述べたいことがあるが割愛する。

 幸い実施以前に問題点が明らかになったのであるから、組合役員のみなさんの奮闘で是非まちがいのないキュウフリ制度にしてもらいたいとおもう。