2000年01月19日(火曜日)
キュウフリ問題をめぐって教職員組合の若手役員へ 1 

    

 忘暮楼の勤める新田高校で、給与の口座振りこみが採用されようとしている。忘暮楼はpaydayには本屋の借金と組合費を払った残りを全額銀行に預ける習慣である。だから口座振替は大歓迎だ。

 給与の口座振りこみのことを、県愛媛県庁会計課では「キュウフリ」と言い、新田高校の取引先・伊予銀行では「コウブリ」と言うらしい。

 全国的な地方公務員給与キュウフリ化の流れの中で、愛媛県は沖縄県とともに最後尾を走っていたが、1998年2月に一般職員が、1998年10月には警察と公営企業が、そして昨年1999年2月には知事部局と教育委員会(教職員関係)がそれぞれキュウフリとなり、ニュー・ミレニアムを完全キュウフリで迎えることになった。

 さて今回の新田のキュウフリ化の経過にはいくつか問題があった。問題が起きた原因は、学園の用意した同意書文案に「教職員全員を対象とする」とあるところから知られるように、学園の「賃金支払い原則」(後述)無視にあるのだが、組合の対応としても今後克服しなければならない弱点があったようなので、老婆心ながら少し書いておきたい。

労働条件の原則を何度も何度も勉強しよう 

 自らの意思で組合役員になったひとも、まわりから懇願されてしょうなしに就任した人も、労働基準法と労働組合法関連の解説書は「座右の書」にしてほしい。これは「職務」だと思ってほしい。

 植物図鑑などもそうだが、常々ページをくっていないと役に立たない。「あれ、この花は確か図鑑にでみたような気がするぞ」という状態になっている必要がある。今回の場合、組合役員が労働基準法の「賃金の現金支払いの原則」を知らなかったことで、スタート時点の問題が生じた。労働者を経営者の「ピンはね」や「現物支給」や「借金天引き相殺」から護るための規定だったのだが、自分の賃金を自分の意思で使う権利としては今でも大事な規定だ。

 キュウフリは、この原則の代替手段でしかない。代替手段は原則を超えることはできない。したがって、「キュウフリは嫌だ」という人には強制できないのである。これが常識なのだ。

 常識を身につけるためには、常識に日常的に接しておくしかない。それが「座右の書」だ。

第1のまちがい

 学園が組合幹部にキュウフリ化を持ちかけてきた際に、組合は組合員の意向をつかもうとアンケート調査をした。結果は賛成55、反対32、白票3であった。この32という数字は重い。三分の一以上である。とても無視できる数字ではない。

 それなのに組合役員はこれを無視して学園に同意回答をした。

 この状況で組合が同意回答をした理由は、「理事会への回答期限が迫り…」という組合新聞での説明から読み取れる。

 詳細は知らないが、学園が組合にキュウフリ化の申し入れをしたとき、事務上の必要からであろう、回答期限を設定したらしいのだ。

 ここで組合役員は、組合にこの期限までに回答しなければならない「義務のようなもの」が生じたと勘違いしたらしい。学園がなんと言おうが、組合員がなんと言おうが、そんな義務は存在しない。義務がないのに義務があるように錯覚した原因が、先に触れた「原則」への無知である。繰り返すが、原則はあくまでも現金支払いである。キュウフリは単なる代替手段にすぎないのだ。

 組合は、組合員の意見がまとまっていなければ、キュウフリを断るだけのことである。来年又学園からの申しこみがあったり、組合員からの希望が強かったりすれば、時間をかけて検討すればいいのである。

  第2のまちがい

 続きは明日(^o^)