2000年01月13日(木曜日) cloudy
感想と意見

 実業コースの一年生に小論文の指導を始めた。

 自分の意見を持つということは、本人の自己実現の手段としても、企業が社員に求める資質としても重要なものである。従来3年生になって慌てて指導することが多かったのだが、今年の一年生は早めに取り組んでおこうと思ったのである。

あるクラスで授業のはじめに「3学期はまず最初に小論文の練習をするよっ」というと、ある生徒が「小論文と感想文とどう違うん?」と質問してきた。

(ひっひっひ、いい質問だ)。

「そうか、よし、今日は小論文と感想文の違いを勉強しよう」。(実は予定どおり)

ということで、解説してみたのだが生徒たちは分かってくれただろうか、心配である。

  授業を振りかえって見ると、結局、「意見」と「感想」の違いを押さえることが一番のポイントのようだ。

 「感想」の場合は、取り上げたある題材を、良かれ、悪しかれ、あるものの「一つの到達点」、「一つの解決」としてとらえている。その到達点なり解決なりを自分がどう感じ取っているか、それを述べるのが感想文であろう。感想文のテーマは、実は題材ではなく、その到達点や解決に接して動いた自分の心なのであろう。

 一方「意見」のほうは、取り上げた題材をいわば「通過点」としてとらえなおす。この通過点は、「解決すべき問題」をはらんでおり、その解決のし方によって、いま予定されているものとは異なる「到達点」に導くことが可能だと、と見なすのである。そして、自分が望ましいの考える到達点に達するための考え(つまり、意見)を示すことになる。

 生徒たちに、日常のあれこれについて、こうした「とらえなおし」「見なし」をさせるところに、意見文・小論文指導の教育的価値があるのであろう。