2001年 月日 曜日

本気かしら?


 日本政府は「テロ撲滅」作戦でなんとか目に見える貢献をしたくてしかたがない。アメリカに褒めてもらいたい一心である。けなげとも言えるが、毒を食らわば皿まで、とばかり、憲法違反の自衛隊に憲法違反の集団的自衛権行使を命じたりもしている。自衛隊はさっそく、日本を出航するアメリカ空母の護衛に当たった。駆逐艦を護衛艦と改名したのは先見の明があったというものだ。

この自衛隊の米軍護衛出動には、与党幹部からも「悪乗りがすぎる」と批判がでている。拙速だというのである。新聞紙には「押しかけ貢献」」などといううがった見出しが躍っている。

※自衛隊の「護衛艦」は戦前の帝国海軍の「駆逐艦」を改称したもの。「戦車」を「特車」と称したようなもの。イギリスで開発された当時の名称は「水雷艇駆逐艦」だった。 

 さて、これだけ世界中が口をそろえて「テロ撲滅」の大合唱をはじめると、本気かしら?と心配になるのが私の悪い癖。

 例えば、日本政府は、古い話で恐縮至極だが、かつて1895年に駐朝鮮特命全権公使三浦梧楼が引き起こした国際テロ事件である韓国皇后虐殺事件について謝罪したことがあるのだろうか。下手人・三浦梧楼がその後枢密顧問官を任ぜられているところをみると、このテロを反省しているとは思えない。

韓国政府が「テロリズム反対」声明を出した。その韓国政府は伊藤博文をテロ攻撃した安重根を義士、国民的英雄として称え、切手にその肖像を掲げている。これでテロ反対が叫べるのだろうか。

朝鮮(DPRK)政府が「テロリズム反対」声明を出した 。ラングーン爆弾事件、 大韓航空機爆破事件、…何をか言わんや。

米国政府は「テロリズム撲滅」の旗手の振る舞いであるが、実は、CIAを使った敵対政府要人テロの下手人ではないか。CIAは「その活動目的の一つとして、アメリカの利益に合致しない外国政府の転覆を公然と掲げ」(『日本大百科全書』(小学館))ており「1953年イランのモサデク政権の転覆によるイラン石油資源の支配、54年グアテマラのアルベンス人民政権の倒壊、61年コンゴのルムンバ大統領暗殺、61年キューバ侵入計画の失敗、73年チリのアジェンデ政権の転覆、その後のニカラグアのサンディニスタ革命政権への干渉計画など」(同書)を実行してきた。

 そこで私は「本気かしら?」と疑うのである。大統領選挙の結果が数百票差の薄氷勝利であっただけに、ブッシュ大統領の地位の正当性にはいつまでも??マークが付きまとっていた。そこで大統領はこの事件を最大限に利用して権力の基盤を固め、あわよくば偉大な大統領として歴史に刻まれることさえ目論んでいるのではないか、と勘繰るのである。こんな勘繰りは「藪にらみ」のたぐいであろうか。


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