2001年 9月19日 水曜日

「同時多発テロ」VS「米中枢テロ」


 ニューヨークとワシントンでの大規模テロ事件から一週間が過ぎた。例のごとくどうでもいいような話になってしまうが、忘暮楼は事件後すぐに使われ始めた「同時多発テロ」という呼称はどうもピンと来なかった。そもそも、米国の要所に大規模テロが引き起こされたこと自体が問題なのである。「同じ時間帯に、多くのテロ事件が次々と発生した」ことが問題なのではない。 

 「多発」ということばは「最近交通事故(警察の不祥事)が多発している」などという文脈で使うことばで「頻発」と同じ意味である。一定期間のあいだに相当数発生しているということだ。それで「多発」だけでは「頻発」と同じ意味になるので「同時多発」とやったのであろう。

 私は数日前の忘暮楼日記の記事で、苦し紛れでこれを取敢えず「多目標同時テロ」と呼び替えておいたのだが、いくつかのメディアではこれを「米中枢テロ」と呼んでいる。この呼称がもっともことの本質をついていると思う。忘暮楼も今後はこの呼称を使いたい。

 ついでに各マスコミがこの事件をどう表現しているか手もとの資料で調べてみた。

朝日新聞、NHK、しんぶん赤旗 同時多発テロ
毎日新聞 米同時テロ
共同通信、愛媛新聞、産経新聞 米中枢テロ
アメリカのメディア terrorist attacks 、America under attack

 アメリカでは、アメリカがattackされているという状況そのものを重要視しているのに対して、日本のメディアは妙に分析的表現にこだわっていることがわかる。

 日本は米国の報復攻撃を支持し支援をすると公言している。そうするとあるいは日本が「同時多発テロ」ではない「単発テロ」の対象になることがあるかもしれない。その場合テロが「単発」であったとしても、それは米国での「同時多発テロ」事件と同じ意味を持つテロである。「同時多発テロ」などというのんきな呼称をしていてはことの本質がぼやけてしまう。今回は「しんぶん赤旗」も「産経新聞」に負けている。


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