2001年 5月26日 土曜日

『ほたる』


 『ホタル』(監督:降旗康男、出演:高倉健、田中裕子)を観た。1800円。

 この夏、友人たちと韓国慶尚北道安東(アンドン)を訪れることにしている。「ワンコリア こども美術展」で絵を送ってくれた真宝初等学校や真宝女子中等学校は安東からタクシーで30分ほどの地である。学校も訪れて地もとの教師たちと「教科書問題」などで意見を交わしてみたいと思っている。

 安東郊外には河回(ハフェ)民俗村がある。ここの民俗村は水原(スウォン)の民俗村とちがって実際に村の人々が今も生活している。村の昔の姿を保存しながらの生活でいろいろ問題もあるようだ。早い話が道は舗装していない。

 『ホタル』に河回の民俗村が出ると知って急に思い立って1人ででかけた。奥方は今日は韓国語のレッスンである。

 映画の制作というものはよほど難しいものと見えて、なかなか満足のいく作品にはぶつからない。その点黒沢明監督などはやはり大変なものでどの作品もその完成度の高さに感銘を受ける。ほかでは周防正行監督の「しこふんじゃた」、「シャル ウイ ダンス?」かなあ。一番難しいのは「終わり方」のような気がする。

 さて『ホタル』。これはハンカチがいりそうだと思ってあらかじめ厚めのハンカチをポケットに突っ込んで席についた。そして案の定これが役に立った。のべつ涙をふきながらの2時間だった。歴史の「記憶」と「忘却」といったまさに今日的な問題を考えながらスクリーンに見入っていた。河回民俗村のシーンは期待通り圧巻であった。

 しかし、映画としては、私はそれほど高く評価できない。あまりにもたくさんのテーマが詰め込まれていて全体の印象が散漫なのである。「終わり方」にも不満が多い。

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