2001年 5月24日 水曜日

学習ノート
 ハンセン病差別の系譜(1) 生物学的社会運動 

『優性操作の悪夢』(天笠啓祐著 社会評論社1996)の復習


 
産業革命の進行
  1. 都市におけるスラム形成
  2. スラムの貧困層を中心にした人口爆発
  3. 労働者階級の貧困・悪徳の深刻化
  4. 人口の増えない上流階級の危機感
※「貧困層」「労働者階級」を「外国人労働者」に置きかえ、「上流階級」を「日本人」に置きかえると石原慎太郎都知事の危機認識に酷似してくる。
マルサスの人口論
  1. 人口過剰を防ぎ、社会構成員の質の低下を防ぐには、貧困階級の人口を抑制しなければならない。
  2. そのためには晩婚の奨励など道徳的抑制が必要だ。
※マルサスの人口論でいうと、晩婚・少子化の現今日本は理想社会なんだろうなあ。
無政府主義者の社会改善論1(ポール・ロバン)
  1. 「生命の質」が低下したときは自殺する権利を認めるべきだ。
  2. 社会の「生命の質」の低下を防ぐために、障害者、精神障害者、犯罪者が生れないように強制断種手術を行うべきだ。
※社会政策史的には、この 2 に日本政府のハンセン病患者、元患者に対する隔離・断種政策のルーツがあるのであろう。
無政府主義者の社会改善論2(ビネ・サングレ)
  1. エリートを育てる
  2. 劣等な人間は結婚させない
  3. 劣等な人間は避妊させる
  4. 劣等な人間は妊娠したら中絶させる
  5. それでも劣等な人間が出産したら赤ん坊のときに安楽死させる
1900年にイギリスでネオ・マルサス主義の第1回国際会議
  1. 産児調節
  2. 自殺の権利
を柱に社会改善のための人口抑制を進める。
ダーウィンがマルサスの「人口論」を全動植物に適用して「種の起源」を著し、マルサスの人口論に"科学的な根拠"を与える。食糧不足が「生存競争」を引き起こし、自然淘汰を生み、ほかより優れた形質を持つ個体が生き残り、進化が起きる、とする。
※生存競争が社会発展の原動力という考え方は今も支配的だがそのルーツはダーウィニズムだ。
生物学的社会運動の活発化
  1. ネオ・マルサス主義
  2. 社会ダーウィニズム
  3. 民族衛生学
  4. 優生学
※社会構成員の結婚・出産・生殖機能に介入して遺伝子操作による社会浄化を推進しようとするのが「生物学的社会運動」。ここでハンセン病差別の元凶であるニセ科学・「優生学」が登場する。