2001年 5月9日 水曜日

 『えひめ丸』のもう一つの問題点


    3月21日、愛媛県高等学校教員組合(愛高教:執行委員長阿部成太郎先生)が愛高教宇和島水産高校分会と連名で愛媛県知事に緊急申し入れをしました。

 愛媛県の加戸知事は、被害者然として、森首相の言動やアメリカ側の動向をさまざまにコメントしているが、実は、被害者どころか、今回の事件で遺族らが損害賠償請求をした場合これに対応しなければならない立場にあります。(参考→高知学芸高校中国修学旅行事故問題) この点はこれまでの情報の氾濫のなかでも全くふれられていませんでした。

 そんな中で、愛高教は「生徒たちはなぜすばやく避難できなかったのか」という新しい問題を提起し、この事件については、「米軍がその責めを負うべきことは明らか」だが、それとは別に、愛媛県がこれまで、現場教職員から再三の指摘があったにもかかわらず無視しつづけてきた、重大な問題があるのだということを暴露しました。

 それは一口で言うと、マグロ水揚げ第一主義が生んだ実習船の「ゆがみ」でした。

 愛媛県は事件を示談で解決させようとしています。また、被害者の後遺症についても寄付金で支払わせようとしていると聞き及んでいます。愛媛県の責任をハッキリさせることが必要になっています。

 この「緊急申入れ書」は後ほど転載しますが、とりあえずその要点をかいつまんで書いておきます(文責100%在忘暮楼)。

 

  1. 県立の水産高校や農業高校の予算は事実上「独立採算制」(正確には「実習収入に全面依存の予算」)になっている。

  2. 実習船の乗員も県職員ではなく、実習船の水揚げから支出されていた。

  3. この条件が「マグロ水揚げ第一主義」を生み、「実習船」の「漁船」化を生んだ。

  4. 例えば、「マグロ水揚げ第一主義」は「漁船」としての性能を高めるために「舷門」(漁獲物とり入れ口)を海面に近い場所に設置した。
    (これ自体、生徒が波にさらわれやすい構造を生んだ)

  5. また商品であるマグロをできるだけ多く確保するために魚槽を大きくした。

  6. 4.5によって「生徒食堂」が海面(喫水線)より下に配置され脱出が困難になった。

  7. 「マグロ水揚げ第一主義」はまた、長期間「実習」と年3回の出漁という過酷な運営を生んだ。