2001年 3月19日 月曜日

 代休 /ボランティア補習!


 

 休日の振替と紛らわしいものに代休があります。

 昨日確かめたように、休日を労働日としようとする場合、

  1. 4週間に4日以上の休日が与えられている
  2. 1週40時間の労働時間の範囲内である
  3. 就業規則に休日の振替があることが定めてある
  4. いつの休日をいつに振替えるかを前もって労働者に通知してある
という4つの条件が満たされていれば、経営者は簡単に休日をうごかすことができるようです。

 この四つの条件が一つでも欠けていると、組合との間で、代わりの休日の設定や時間外割増賃金や休日割増賃金についての協定を締結する義務が生じます。割増賃金を支払わないで働かせると「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が待ち構えています。

 ここで問題とされた休日は、あくまでも毎週1回は与えられなければならないとされている「法定休日」でした。

 それにたいして「代休」はどんなものでしょう。職場の休日である勤労感謝の日に仕事をさせたので次の週の月曜日を休日にする、というのは、形の上では「振替」とおなじ操作のようにみえます。しかし、実はこの操作は労働基準法に基づくものではありません。

 労働基準法は最低の労働条件を規定した法律ですから、すべての経営者に対して強制力を持っていますが、「代休」は各職場の就業規則や労使協定によって定められたものです。

 したがって、「代休」を定めた就業規則や労使協定のない職場では「代休」は保障されませんし、したがって、同じ私立高校でも「代休」のある職場もあれば、ない職場もあるわけです。


 ところで、新田高校の就業規則には次のような規定があります(既報)。

 
 

(休日)
第16条 教職員の休日は次の通りとする。
1.日曜日
2.国民の祝日に関する法律に定める休日
3.毎月第2土曜日・第4土曜日
4.年末年始(12月29日より1月3日迄)
5.その他必要と認めた時は臨時休業とする。

(休日振替)
第17条 業務の都合により必要がある場合は、前条の休日を他の日に振り替えることができる。但し、毎年の第1月曜日を起算日とした各4週間を通じ、休日が4日を下ることはない。  

 

 この規定は、

  1. これこれの休日を保障する
  2. どうしても必要なときは振替えることもある
という形式になっていますので、「休日に働かされてかつ代わりの休日が与えられない」ことはありえません。したがって新田高校では、「振替え」にしろ「代休」にしろ「代わりの休日」が約束されていないのに第2第4土曜日に学校業務にあたっている人は絶対にいないはずです。実際、本年度までは、少なくとも授業の関係ではありませんでした。
※ 運動部の指導や引率は非常にあいまいな状態にありますね。

 ところが、来年度は代休のない休日勤務が現われる可能性が出てきています。いま組合が交渉中ですので結論が出ているわけではありませんが、「代休」を与えたくないばかりに、前代未聞の「ボランティア補習」が実現しそうなのです。

 今年度までは、特進コースだけに設定された全員受講の第2第4土曜日の補習について、この補習の指導にあたった教員には「代休」が与えられました。

 ところが、来年度については、学園が、

 
 

 特進コースの土曜日の補習に付いては

  1. 特定の教員に補習担当を命令することはない。補習指導をやりたい人にやってもらう。
  2. とはいえ厳密にいうと業務命令の部分もあるので手当(1950円/50分)を支給する。
  3. 教員各個人の任意意志に基づく補習であるから、この件について組合との協定は締結しない。

 

という方針を示したようです。森首相の退陣問題のように摩訶不思議な表現になっていますが、

 
「厳密にいうと業務命令の部分もある」

 という部分は、もしこの通り述べたのだとすれば、経営者自らが就業規則を蹂躙していると受け取らざるを得ない重大な言説です。

 この言説は、就業規則の蹂躙だけに終わらず、他の分野へも波及していくかも知れません。つまり、「厳密にいうと業務命令の部分もある」のは特進コースの第1第3土曜補習だけではないからです。日々の勤務時間後や第1第3土曜日や日曜日に常時行われている部活動指導は「厳密にいうと業務命令の部分もある」活動ではないのでしょか。

 理事長は、特進コースの教員の責任感を当てにしてボランティア補習を進めようとしていますが、部活の場合も同様です。学園はこれまで、部活を担当する教員の責任感を利用して、「厳密にいうと業務命令の部分もある」部活指導であるにもかかわらず、「部活は趣味だ」とか「部活は社会教育だ」とかいった詭弁を弄することによって、膨大なサービス残業を強いてきたのではなかったでしょうか。

 このあたりも考えてみる時期が来たということでしょうか。