2001年 3月3日 土曜日 雛祭り

 七難


   通勤のクルマ。このところは、出勤時がお経の道場、退勤時はカチャーシー(沖縄の舞踊音楽)の伴奏の聞き取りというパターンだ。

 そのお経の途中に「家に讃経の勤めあらば七難必ず退散せしめん」という文句が出てくる。これを口にするたびにいつも、「七難」ってなんだろ、女難なんかも入っているのかな?、職場で辞書を引いてみよう、と思うんだけど、職場につくとこれを忘れてしまう。

 学年末試験の問題も出来て落ち着いたせいか、今日は職員室でこれを思い出した。そこで「国語大大辞典」(小学館)を引いてみる。

 一口に七難といっても、お経によって違うのだそうだ(下に一覧表あり)。辞典に紹介されていた四つの経のすべてに共通する「難」は「水難」だけだった。古代インドにおける災害のナンバーワンはやはり大河の氾濫だったのだろう。続いて三つのお経に共通しているのが「賊難」と「火難」である。

 「陀羅尼集経」の「王難」というのはなんだろうか。「悪い王」に出くわすことだったら、森首相をいただく国民の災難や、昭和天皇の戦争遂行でたくさんの不幸を背負わされた臣民の災難などがこれに当たるのだろう。

 病気関係の「難」は不思議なことに「陀羅尼集経」にしか出てこない。あるいは、「羅刹難」や「鬼難」のなかに含まれているのかもしれない。

 これらの七難と、今日の多種多様な災難と比べると、人は歴史の中でずいぶんと不幸を増やしてきたのだなあ、という感を深くする。 「女難」は「羅刹女」以外は出てこなかった(^^ゞ。  

法華経
普門品
仁王経
受持品
薬師経 陀羅尼集経
王難
火災難 火難 火難
水難 雨水難 過時不雨難 水難
羅刹難
(ラセツは鬼の一。人をたぶらかし血肉を食う。女の羅刹はチョー美人(^^ゞ。のちに仏教守護十二天の一。
羅刹難
刀杖難
(刀杖は刀剣の類の総称)
鬼難
(キは餓鬼道に堕ちた亡者。いつも飢餓に追われている典型的な餓鬼だけでなく夜叉や羅刹なども含む)
ダキニ鬼難
(ダキニ鬼はインド密教の説く鬼神のひとつ。通力自在で人の死を6ヶ月以前に知り、その心臓を取って食う。「脳死」論議を連想してしまった。)
枷鎖難
(カサは罪人をつなぐ刑具。無実の罪を着せられることが結構あったのだろう。宇和島の無実勾留問題など全く災難としかいいようがない。)
怨賊難 悪賊難 賊難
ー  悪風難 非時風雨難
ー  日月失度難 日月薄蝕難
ー  星宿失度難 星宿変怪難
ー  亢陽難
(太陽の熱が激しすぎて枯れてしまう。)
人衆疾疫難
 他国侵逼難
自界叛逆難
(身内の反乱のことかな?)
毒薬難