2001年 2月26日 月曜日

 自殺事件直後、何を考えるべきか


   高橋祥友『自殺の心理学』(講談社現代新書)によれば、不幸にして自殺事件が発生した場合に、学校が真っ先に考えるべきことは、「群発自殺」の発生を避けることだそうです。後追い自殺の問題です。

 この点は今回の忘暮楼の勤務校での対応で欠落していた点だと思いました。同書は、米国疾病管理センター(CDC=Centers For Desease Control and Prevention)が作成した、この観点によるガイドラインを紹介しています(89p)。ここではとりあえず学校単位で取り組めることを取り上げておきます。

重要な原則は「自殺を美化しない」こと。自殺願望のある生徒の自殺の可能性を高めてしまうことがある。
自殺の事実を隠そうとしても必ず短時間の間に伝わってしまう。自殺について正確な情報を必要なだけ伝える。
自殺した生徒の、親友や恋人など心理的に強い影響を受ける可能性のある生徒に個別に会って自殺の事実を伝える。
ほかの一般の生徒には、教師が事情をよく承知した上で、可能な限り小グループで自殺について伝え、生徒たちの反応をよく把握する。
講堂に全校生徒を集めて一斉に伝えたり、「命を粗末にするな」「死ぬな」などと激を飛ばすのは、後追い自殺を防止する上ではかえって危険だ。
葬式で棺を担いだ友人、ひどく落胆している人、病院に面会に行った人、事件後に学校を欠席しがちな生徒、自殺未遂の経験のある生徒、うつ病などの既往のある生徒、最近転校してきたばかりの生徒など孤立している生徒、などを特定して、カウンセリングや精神科受診を勧める。
カウンセリング、電話相談などの存在をマスメディアの協力を得て報道してもらう。
マスメディアには正確で信頼のおける情報を提供し冷静な報道を要請する。
情報を整理する係を置き、情報が混乱しないようにする。
マスメディアから特殊な情報を要求されたときは、専門家や関係機関を紹介する。(忘暮楼---学校と日常的に提携している専門家等のことか?)
報道機関との対応では「その場しのぎのゴマカシ」をしないこと。記者会見を定期的に開き、動揺している生徒が援助を求められる具体的な方法を報道してもらうなど、群発自殺防止の前向きな姿勢で語ることが大切。
群発自殺の場合、同じような手段で自殺を図ることが多いので、報道機関には、自殺の方法については詳しく報道しないように協力を求める。