2001年 1月29日 月曜日

 校則 1(hair style)


   学校は、生徒たちの服装や髪型についての指導に相当のエネルギーをつぎ込んでいる。生徒の精神状態が服装や髪型に現れやすいから、ということと思う。

 係の教員が全教員に全面的協力を要請するのは当然予想されることであるが、この手の指導については教員の対応を均質化するのはなかなか困難だ。教員間にどうしても温度差が生じる。熱心な教員がほとんどのはずだが、なかにはそうでもない教員もいる。

 例えば、生徒とのラポールrapportの保持・醸成を重視する教員は、この種の指導が生徒との葛藤を強めやすいためなかなか熱心になれない。生徒とのラポールが形成されていない教員は、この種の指導を徹底すると生徒との関係は破滅的になるのでますますその傾向が強い。これも十分理解できる。

さて、実際に指導を徹底するとなると、いわゆる「校則」を遵守させることになるわけだが、その校則の条項が次第に肥大化して膨大なものになっている。最近「校則」をいただいたのだが、忘暮楼などはもう時代遅れで、読みながら「ほう、こんなのもあったのか…」と感心したりしている。

 この際、校則の全体がどうなっているか、勉強してみたい。ただし、校則の各項目の文言は必ずしも名文ではなく、趣旨の分かりにくいものある。そこで、ここでは、原文そのままではなく、忘暮楼が生徒に本校の校則を説明しようとすればこうなる、ということで、できるだけ起草者の考えを善意に推察して忘暮楼流にかきなおしてみる。

 したがって、宝くじの当選番号は第一勧業銀行で確かめるように、正確を期そうと思えば原文にあたってもらわなければならない。それでは身体の一番上、頭髪から始めよう。このあと次第に下に下がって最後は靴になる予定だ。 

頭髪 法16章

  1. 頭髪は、勉学にスポーツに前向きに取り組んでいる高校生にふさわしい髪型にする。どこから見ても飾り気のないさっぱりした髪型にする。つまり「清楚」がモットーだ。辞典によると「清楚」は主に女性について言う語とあるが、この場合は男女共通のモットーだ。
  2. 生まれつき髪の毛が縮れていたりカールしていたり、あるいは赤毛であったり茶色の毛だったりする生徒は、年度始めに生徒指導部にそのむね届け出て、その生まれつきの髪のままで登校しても良いという許可を取らなければならない。
  3. 生まれつき白髪の生徒でそれを黒く染めたい場合は,生徒指導部の許可を受けなければならない。許可を受けていない間は白髪のままでいること。
  4. パーマやアイパーをかけたり、染色したり脱色したり、ドライヤーで変色させた場合は、ウェーブや色などが残らないように、洗い流すかあるいは染めもどすか、ストレートパーマをかけるか、ないしは、元の状態が残っているところより先を切り捨てる。
  5. 男子生徒の場合の特別規則(基準は、眼球保護と外耳道の保護にあるようだ )
    1.  前髪は目を開けているときの眼球上部の位置より下にならないようにする。
    2.  その場合、運動をしたり、風が吹いたりして髪が乱れた場合も横髪などが眼球部分にかからないようにしなければならない。
    3.  横髪は耳にかからないようにする。
    4.  前髪同様、髪が乱れた場合も耳にかかる髪の毛があってはならない。
    5.  横髪を刈り上げたときは、後ろ髪を伸ばしてはいけない。かならず後ろ髪も同じように刈り上げなければならない。
    6.  もみあげは外耳の出口の下端、耳たぶの上までとする。
  6. 女子生徒の場合の特別規則(基準は、眼球保護と禁欲的整髪にあると思われる。女子の場合は耳についてはどうでもよい。)
    1.  前髪については男子生徒に同じ。
    2.  髪を肩にかぶさる程度に長くしているものは束ねること。ただし、束ねた髪の毛のさきは下向きの状態にしておくこと。これを上向きに反転させてはいけない。飾り気はあくまでも排除し清楚を保たねばならない。
    3. 髪を束ねる場合、髪の毛の先端部を球状にして髪の毛の中に丸め込むのもいけない。
    4.  髪の毛を束ねるに際しては、リボン、ゴムひも、ヘアーピンのいずれを使用してもよいが、色は黒・紺・茶系統とし、白、赤、黄、青、緑、紫、ピンクなど派手な色のものは清楚な雰囲気であっても許可しない。またそれらはすべて無地でなければならない。
    5. 髪を束ねるときにアクセサリーを使用してはいけない。
    6. 髪を束ねるリボンは黒、紺、茶系統でも派手なデザインのものであってはならない。