2001年 1月25日 木曜日

 瓢箪から駒?


   宇治拾遺物語の「腰折れ雀」の話では、雀がくれた種からとれた瓢箪のなかからお米がさらさらさらさらと出てくる。瓢箪のなかの米を全部出しても、すぐまた一杯になっている。そんなわけでおばあさんはまもなく「たのしき人(裕福な人)」になる。

 約20億円にのぼるという内閣官房機密費はすごい。使い放題、領収書なし、ねこばば自由、これは現代の「瓢箪」である。野坂浩賢・元官房長官(76)がその裏金の実態を朝日新聞紙にばらしている。メモしておく。

  1. 官房長官室の金庫には常時8000万円の現金が入っていた。(つまり使ったらすぐ補充される)

  2. お金は帯封の新札で、100万円ずつ封筒に入っていた。

  3. 1日500万円から1000万円が支出される。

  4. 金庫を開けて使うかどうかを決めるのは官房長官で首相さえ手が出せない。

  5. 最も多い使い道は議員の海外視察の際の餞別。若い議員は30万円、委員長になると100万円ほど。

  6. 餞別を受け取る人は与野党を問わないが、共産党は呼んでも取りにこない。

  7. 難しい政局を乗り切ろうと与野党の国会対策委員会幹部に渡したこともあった(1994年7月から1年半に3回)。

  8. 1度に最も多く出したのは当時の村山富市首相で約1000万円。

  9. 外国からの賓客の接待は知れている。

  10. 領収書はもちろん、帳簿すらない。
 政府の機密費を流用した疑いで懲戒免職になった松尾某・元要人外国訪問支援室長(ノンキャリア組)は55歳、悪事のし盛りの年代だ。領収書の要らない世界である、彼ならずとも誘惑にかられるにちがいない環境だ。しかも、誘惑に負けてもなにごとも起こらないのである。野坂元官房長官も「公金を使っているという良心だけがは歯止めだ」と語っている。

 彼の悪事のおかげで、政治家や官僚の「聖域」の一つにいささかの光が当てられた。「瓢箪」から駒もでた、と言っておこう。