2001年 1月8日 月曜日成人の日

 怒鳴りあう成人式典


   今年は今日が成人の日。話題は自治体の首長の獅子吼である。たとえば、あの高知の橋本知事が会場で騒ぐ若者に「出て行け!」と叫ぶのである。ところが、若者は負けていない。「おまえが出て行け」と切り返す。こういう口先勝負はいまどきの若者の得意わざだ。

 あきれた知事は、大多数の、静かに聞いている若者たちに「みなさんはどう思いますか」と猫なで声で持ちかける。すると、わっ!よかったあ、会場からは真面目そうな拍手がじわじわ沸き起る。まるで空中戦である。 

 成人式が振り袖姿の披露宴になってすでに久しいと思うのだが、知事は自分ならそれ以上の成人式になるはずだと自信をもっていたのであろう。しかし、おっとどっこいである。若者はいつの世もふてぶてしいのだ。

 知事は式辞の最後のほうで、「あとでいつか恥ずかしいことをしたの思う日がくるでしょう」と捨てぜりふを吐いていた。わたしのような老人でも、それがどうしたというのかと言いたくなるようなしょうもないやり取りであった。 

 内閣支持率がどんなに低くなっても平然と進められる昨今の政治だ。成人したから選挙に関心をもとうにも、 自分のこの新しい1票はどれほどの値打ちがあるというのだろう…。結婚もはるかかなたの話である。結婚しても子どもを育てることができるんだろうか…。いや結婚どころではない。就職すら出来ないではないか。そんな20歳ではseriousな気分にもなれないのだろう。

 橋本知事も、怒鳴りつければ成人の自覚がうまれるとは思っているわけではない。あとで「恥ずかしいことをした」と思ったのは、まじめな橋本知事のほうだったかも知れない。

 そもそも成人式が1月15日でなけれならない理由は何もなかった。まして1月第2月曜である理由は全くない。しこうして橋本知事が今日怒鳴らなければならない必然性も全くないのだった。