2001年 1月1日 火曜日

 武力で他国の人を殺さなかったこと


   1945年生まれというから、忘暮楼より三つばかり若いある評論家が「自分の生きている間に日本が武力によっては他国の人を1人も殺さなかったことは自分の人生の誇りだ」という趣旨の発言をしていた。憲法九条を称揚する言説である。

 日本国憲法が日本の戦後の軍人たちに「軍」を名乗らせなかったこと、そのことによって彼らに肩身の狭い思いをさせつづけてきたことは、この憲法の大いなる貢献であった。

 うむ、これはまさしく至理名言と思ったのだが、退いて思えば、忘暮楼は1942年生まれだから忘暮楼の人生の最初の4年間に皇軍が殺戮した外国人の数は2000万人に近い。恥ずべき人生であった。フランス帝国主義およびアメリカ帝国主義と戦いつづけたかのベトナム解放戦線の兵士たちもまた恥ずべき人生ということになる。また、それがほんまに人生の誇りであるならば 徳川幕府15代265年の日本人はすべて誇らしい人生を送ったことになりはしないか。

 評論家氏の発言はどうもひいきの引き倒しの匂いがする。